うつ病でも入れる保険とは

生命保険

近年、様々な原因で患者が増えている「うつ病」。日本ではうつ病を経験した人が100人中3~7人の割合でいるという調査結果(厚生労働省:みんなのメンタルヘルス)もあります。うつ病を患っている方でも入れる保険はあるのでしょうか。ここではその可能性と選ぶ際の注意点などを解説いたします。

そもそもうつ病とは?

そもそもうつ病とはどんな病気なのでしょうか。

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。
そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。

<厚生労働省:みんなのメンタルヘルスより引用>

うつ病治療の基本はしっかり休養を取って薬を飲むことといわれていますが、合わせて、認知行動療法も効果が高いことがわかってきており、無理をせず早目に専門機関に相談をする必要があります。

そして、早目に治療を始めるほど、回復も早いといわれていますから、本人が気づきにくい病気であるがゆえ、重症になる前に家族や周囲の人が気づいてあげることも大切です。

一般的には困難なうつ病患者の保険加入

一般的にはうつ病患者の保険加入は難しいといわれています。

保険は、みんながあらかじめお金を少しずつ出しあい、誰かが困った時に必要なお金を支払うという仕組みになっています。

その為、加入者間の公平を保つ意味でもすでに病気にかかっている人は保険に入れないことが多いのです。特にうつ病は一般的に自殺や投薬による病気のリスクが高くなると考えられ、保険加入が難しいと言われています。

それでは、うつ病患者は保険への加入をまったくあきらめざるを得ないのでしょうか。

実は、定められた条件を満たしていれば、うつ病と診断された方でも保険に加入できるケースもあります。

過去にうつ病と診断されていても以下にあげる条件をクリアすれば通常の保険に加入できる可能性があります。

・うつ病が完治して5年以上経過している場合。
・5年経過していなくても、現在健康であるという診断を医師から受けている場合。
・うつ病の症状が軽く、医師が経過観察と判断した場合。

告知では過去5年以内の既往症を聞かれますが、それ以前のものは告知の対象とはなりません。したがって過去にうつ病と診断されていても完治から5年経過していれば保険に加入できる可能性があるのです。

しかし、注意したいのは上記三つの条件のいずれも医師による証明や判断が必要ということです。その上で保険会社が承諾すれば加入することができるのです。

ただし加入に際して割り増し保険料や特定部位不担保などの特別条件が付く可能性が高いので注意が必要です。

うつ病でも加入しやすい保険

前項ではうつ病患者の保険加入が困難なこと、しかし通常の保険に加入できる可能性もあることなどを説明しました。

ここではうつ病でも加入条件を満たせば加入できる保険商品も用意されていますので、その代表的なものを解説します。

引受基準緩和型保険

健康状態に関する告知項目が少なく、通常の保険よりも引受基準が緩い保険です。

この保険は、持病や健康上の理由で保険加入をあきらめていた方でも入りやすい保険となります。

その為、保険料が通常より割高であったり、契約から一年間は保険金や給付金が半額になるといったデメリットがあります。それは、引受基準を緩くしている分、保険会社が負う、給付金等支払いリスクが通常より高くなっているためです。

無選択型保険

保険に加入する際には健康状態に関する告知や医師による審査が必要ですが、無選択型保険はその必要はなく健康状態にかかわらず加入できます。

ただし引受基準緩和型保険よりも保険料は割高で、加入後一定期間は保障に制限が設けられるなどのデメリットがありますので加入にあっては慎重に検討することが必要です。

検討・加入する際の注意点

うつ病患者で保険加入を検討される場合、まずは通常の保険に加入することを検討してみましょう。

それは前々項で述べた通り、現在の体況(医師による証明や判断必要)によって加入できる可能性があるためです。

その上で、残念ながら通常の保険への加入が困難だった場合に引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討してみるのが良いのではないでしょうか。

なぜなら、引受基準緩和型保険や無選択型保険は、保険料が割高で保障が限定的になったりするデメリットがあるからです。

うつ病でも保険加入が可能な病状とは?

うつ病にも様々な病状があり、どの生命保険にも入れないというわけではありません。保険会社によっては引受基準を緩和する傾向もありますので、以前加入を断られたからといって、現在もそうとは限りません。

上でも述べましたが、うつ病でも病状によっては保険加入できる可能性を再度まとめると以下のような場合です。
・完治してから5年以上が経過している場合
・5年以内でも現在健康であるという診断を医師から受けている場合
・うつ病と診断されたが症状が軽く、医師が経過観察と判断した場合
いずれの場合も医師による証明(診断書など)が必要となります。ただし加入する際に、割り増し保険料などの特別な条件が付く可能性は高いでしょう。

保険以外の制度等

これまでうつ病患者の保険加入に関する可能性について述べてきましたが、うつ病患者が知っておくべき公的保障について、この項で説明してまいります。

健康保険の傷病手当金

傷病手当金は病気やケガのため会社を休職せざるを得ない場合に支給される手当金です。その会社員に健康保険から給与の3分の2に相当する額が支給されます。

うつ病で休職している場合にも適用されます。

傷病手当金の支給条件には「連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと」などがあり、4日目以降休んだ日に対して支給されます。

支給期間は支給が開始された日から最長で1年6か月です。

自立支援医療

精神疾患や精神障害のために生じた病気に対して病院または診療所に入院しないで行われる医療に対して健康保険の自己負担額(通院、投薬、訪問看護等)の一部を公的に支援する制度です。

世帯の所得に応じて自己負担額の上限が定まっており、上限に満たない場合の自己負担額は医療費の1割となります。手続きは各市町村の窓口で行います。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。

精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には様々な支援策が講じられています。

うつ病患者も対象となり、NHK受信料の割引、税金の控除・減免、公共交通機関料金の割引、上下水道料金の割引など様々な支援を受けることができます。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

ここまで「うつ病の方が通常の保険に入れる可能性」「うつ病の方が加入しやすい保険の代表的なもの」さらに「うつ病の方が知っておくべき公的な制度」について説明してまいりました。

まずは公的な制度について確認し、そのあとに保険について検討してみるのが良いのではないでしょうか。

その際、「自分でも保険に加入できる」から加入するのではなく、「自分にとって必要かどうか」を念頭に置いて検討することが肝要です。自分にとって必要かどうかは年齢、職業、家族構成、さらにご自身のライフプランなどを総合的に考慮したうえで判断することが望ましいといえます。

執筆者

小代 信介(ファイナンシャルプランナー)

外資系保険会社に22年間勤務後、2016年より現職。保険会社時代は一貫して営業現場を歩き、マネージャー、支社長を経歴。顧客第一主義を念頭に一線の営業マンのサポート業務に徹する。現職においても長年の経験をもとに仲間や後輩の成長を支援する活動を日々継続中。
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