生命保険と医療保険の違い

医療保険

保険に加入しようと思うけれど、一体どういう保険があって、自分にはどの保険が必要なのか分からないという方もいらっしゃるかと思います。そこで、どういうときにどういう保険が役に立つのかをご説明します。
人にかけられる保険には大きく分けて、生命保険(死亡保険)と医療保険があります。

生命保険と医療保険はどう違う?

生命保険とは、基本的に、「死亡」や「重い障害状態」になったとき保険金が支払われます。

一方、医療保険とは、病気やけがなどにより、「入院」「手術」「通院」をした場合などに給付金が支払われます。

生命保険と医療保険のそれぞれの特徴

では、それぞれどのような保障があるのか詳しく見ていきます。

生命保険

生命保険とは人の命に関して一定の金額を支払う保険契約です。一般的には「死亡保険金」か「高度障害保険金」が支払われます。

死亡保険金

例えば、3,000万円の生命保険に加入していた人が事故や病気で亡くなった場合、3,000万円の死亡保険金が支払われます。契約をするときに「死亡保険金受取人」をあらかじめ指定しているので、その人が保険会社に請求し、保険金を受け取ります。保険金を受け取った時点で保険契約は終了します。

高度障害保険金

同じく3,000万円の生命保険に加入していた人が命は助かったものの

  • 両眼の視力を永久に失った場合
  • 言語そしゃくの機能を永久に失った場合
  • 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態になった場合
  • 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態になった場合
  • 手首から先を両手とも失ったか永久に動かせなくなった場合
  • 足首から先を両足とも失ったか永久に動かせなくなった場合

など、保険会社が定めている一定の高度な障害状態になった場合に3,000万円の高度障害保険金が支払われます。受け取るのは保険がかけられている被保険者本人です。

保険金を受け取った時点で保険契約は終了します。終了しているので、その後亡くなっても死亡保険金を受けることはできません。

生命保険に加入する目的は?

☆一家の大黒柱が、死亡又は高度障害状態になったとき、それまでと同じ収入を維持できない場合が殆どです。一家の収入がダウンする金額と、将来お子さんの教育費、老後の生活費の不足分を準備しておくという目的に適した生命保険は、一時金を受け取るには「定期保険」、毎月の不足する生活費を補うためには「収入保障保険」が適しています。

☆亡くなった途端に必要な費用として、葬儀代、お墓、仏壇購入費があります。いつ亡くなっても準備されていると安心ですので、この費用をまかなうためには保障が一生涯続く終身保険が適しています

医療保険

医療保険とは、入院、手術、通院をしたときに契約で決められた給付金が支払われるものです。亡くなっても死亡保険金は支払われないのが一般的です。(一定の死亡保険金が支払われる商品も販売されています)

医療保険がカバーしている項目ごとに説明します。

入院給付金

例えば、入院給付金日額5,000円の医療保険に加入していた人が病気やけがで10日間入院をした場合、一般的には5,000円×10日=50,000円の入院給付金が支払われます。(○日以上入院したときのみ○日目から支払われるという商品もあります)

また、入院が短期間だったときには1日○○○○円という給付金だけでは入院費の支払いには不足することも考えられますので、ごく短期の入院でも○日分は支払いますという商品や入院給付金とは別に入院初期給付金を支払いますという商品もあります。

手術給付金

手術を受けた場合には手術給付金が支払われます。
金額は入院日額の○倍と決められている商品、手術の種類によって入院日額の○倍、△倍と決められている商品、入院中の手術は入院日額の○倍、外来で受けた手術は△倍と決められている商品があります。

通院給付金

例えば、通院3,000円の医療保険に加入していた人が入院をし、退院したあとに3回通院した場合3,000円×3回=9,000円の通院給付金が支払われます。退院後だけでなく入院する前の通院も保障する商品もあります。(通院給付金の保障がない医療保険も販売されています)

医療保険に加入する目的は?

☆病院の支払いについては国の「高額療養費制度」がありますので、ある程度はカバーできますが、勿論全額保障されているわけではありませんから、「治療費」の不足分として自分である程度準備しておく必要があります。

☆病気、がん、けがなどで入院し、仕事ができない場合は月々の収入が減りますし、長期入院となるとボーナスにも影響してくる可能性が高くなります。収入の減少分を補う目的で医療保険に加入することで、今までと同じ生活が維持できます。

☆家族が病院に見舞いに行く交通費など思わぬ出費があります。この費用をカバーできる保障額の医療保険に加入しておくとよいかと思います。

まとめ

万が一のときのための生命保険と病気やけがで入院したときのための医療保険はどちらも生活に必要な保険です。それぞれの保険の特徴を理解して、自分にはどのくらいの保障が必要なのかをしっかり理解してから加入を検討しましょう。

執筆者

橘 美穂子(ファイナンシャルプランナー)

1997年大学卒業後、外資系金融機関に新卒入社。契約管理部門から営業部門へ。女性の少ない営業現場で、女性ならではの気配りや丁寧な対応でクライアントから絶大な信頼を得て営業部門初の女性管理職となるも、よりお客様に寄り添ったコンサルティングがしたく2014年に転職し現在。マネーセミナーの講師などもつとめる。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格
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