生命保険は一括払いできる? 一時払終身保険とは

生命保険

保険料の支払い方法として、月払・半年払・年払等の方法がありますが、その他に「一括で支払う方法」があるのをご存知でしょうか?
ここでは、一括で保険料を支払う「一時払」、その中でも「一時払終身保険」について解説をしていきたいと思います。

一時払終身保険

どんな仕組みなの?

一時払終身保険は、ひとことで言いますと、「一括で保険料を支払う終身保険」のことを言います。

特徴はどんなところ?

ここでは、一時払終身保険の特徴について、解説していきます。

「告知」

一時払終身保険の特徴のひとつに、加入時の「告知方法」があります。

加入時の告知方法は、健康状態や既往症等の告知を必要とする商品と、勤務先や年収などの職業告知のみで加入が可能な商品もあり、健康状態に不安のある方でも加入しやすいというメリットもあります。

ただし、下記の告知項目は押さえておくべき項目となりますのでご留意下さい。

・余命宣告をされていないこと
・入院中でないこと

※老人福祉施設に入所している場合は加入が可能なケースもありますが、医師・看護師等の常駐している医療機関併設の老人福祉施設等に入所している場合(入院し、治療を受けている状態と見做されます。)や、自宅療養中でも胃ろう等の医療機器を設置している場合には加入が出来ない場合もありますので、十分に注意が必要です。

「保険金額と一時払保険料の関係」

・「保険金額≒保険料」・・・保険金額と一時払保険料がほぼ同額になる商品。
・「保険金額>一時払保険料」・・・保険金額に比べ割安な保険料になる商品。
・一時払で支払う事で月払・半年払・年払等の支払方法に比べ割安で加入することが出来る商品。

「90歳まで加入可能」

被保険者年齢が、90歳まで加入可能な保険があります。(2018年12月現在)

ただし、選択肢として多くの保険種類を検討できるのは、85歳前後までとなりますので留意しておきましょう。

どんな種類があるの?

大きく分けて4種類のタイプがあります。

一時払(定額)終身保険

円建てで運用するタイプ。

一時払利率変動型終身保険

市場の金利に合わせて積立利率が変動するタイプ。

一時払変額終身保険

株式や債券等で運用するタイプ。

一時払外貨建終身保険

米ドルや豪ドル等の外貨で運用するタイプ。

一時払終身保険のメリット・デメリット

ここでは、メリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

一時払終身保険には、主に下記のメリット等があります。

・保険料を割安で加入することが出来る。(※)
・健康状態に心配がある方でも、職業告知で加入が出来る。(※)
・解約返戻金の活用が出来る。
・相続・贈与税対策に活用出来る

(※)各保険種類によって特徴・メリットは異なりますので、保障内容・設計内容などご留意下さい。

デメリット

デメリットとして最も注意が必要なのは、途中解約のリスクです。

特に早期解約時には、「解約返戻金が一時払保険料を下回る」ことがある点です。

その理由として、上述の利率変動型や変額保険および外貨建て保険等の解約時には、「市場価格調整」や契約日から10年未満の解約・減額には「解約控除」という控除がかかります。

そのため、解約返戻金額が一時払保険料を下回ることがあります。

突然の資金入用の事態等で早期解約をする必要がある場合には、不利益が生じることもあります。

加入の際は、将来の収支や資産状況等を十分に検討してから進めましょう。

※「市場価格調整率」・・・運用資産(債権等)の価格変動を解約返戻金額に反映させるために用いるもので、経過年数や市場金利により変動します。
※「解約控除」・・・解約時に、積立利率適用期間および契約日からの経過年数に応じて、基本保険金額に解約控除率を乗じた解約控除がかかります。

貯蓄・投資・税金対策に

貯蓄・投資

一時払終身保険の中には、貯蓄や投資を目的として加入する商品も多く販売されています。

ここでは、その一例を掲載させて頂きます。

ターゲットタイプ

契約日から1年経過後の契約応当日以降に、解約返戻金が目標(ターゲット)に到達した場合、運用成果を確保することが可能な保険商品。

定期支払タイプ

契約日から1年経過後から一生涯にわたって毎年、定期支払金が支払われるタイプの保険商品。

市場連動タイプ

市場の金利に合わせて、積立利率が変動することで運用するタイプの保険商品。

税金対策(相続税)

相続税対策として、一時払終身保険が活用されることがあります。

死亡保険金には、非課税枠(相続税法第12条 保険金の非課税限度額)があり、契約者と被保険者が被相続人で、受取人が相続人の場合、受け取った死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となりますが、「500万円×法定相続人の数」の金額までは「非課税財産」として、相続税の課税はされません。

このような非課税枠をもつ金融商品は、生命保険だけの利点であり、相続税対策に活用される理由のひとつです。

また、生命保険の保険金は、「受取人固有の財産」であり、遺産分割協議を待つことなく、相続発生後に保険金請求手続きをすることでスムーズに現金化することが可能です。

つまり、相続発生後にまとまった現金が必要な場合(葬儀費用・遺族生活費・納税資金など)などにも保険金は活用出来ます。

契約形態

契約者被保険者受取人
被相続人被相続人相続人

※契約者・被保険者が被相続人でも、受取人が相続人でない場合(子が生存中の孫など)は、全額相続税の対象になります。

尚、相続税の非課税枠活用は出来ませんが、介護など最後まで自分の面倒を見てくれた子の配偶者等に現金を残してあげたい等の意向がある場合には、保険金の受取人を子の妻に指定することも可能です。(保険金=受取人固有の財産)

税金対策(贈与税)

贈与税対策、主に「生前贈与」の一環として一時払終身保険は多く活用されております。

仮に被相続人から相続人に300万円/年の現金を贈与し、その現金を原資として一時払終身保険に加入するとします。

1年間に300万円を贈与した場合、贈与税の基礎控除の110万円/年を引いた190万円分は贈与税課税対象になりますが、年間300万円の資産を生前に贈与することで将来の相続税対策にもなります。

※贈与税の基礎控除後の課税価格が200万円以下の場合の贈与税率は10%。

契約形態

契約者被保険者受取人
相続人被相続人相続人

また、この形態での保険金(解約返戻金)については、一時所得となり下記の計算式となります。

「総収入金額(保険金・解約返戻金)」-「その収入を得るために支出した金額(実払込保険料)」-「特別控除50万円)」×1/2

※相続人:被相続人の死亡によりその財産や権利義務を承継する人。
※被相続人:相続される人。相続人が相続する財産や権利義務の元の所有者。

まとめ

一時払終身保険は、健康状態に不安のある方でも加入しやすい特徴のある商品もあることや、資産運用に利用すること、税金対策等にも活用することが出来る保険商品になります。

一方で、市場や為替の影響、早期解約リスク等のデメリットもある商品であるため、加入の際には商品内容や特徴を良く理解した上で進められることをおススメ致します。

執筆者

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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