保険の返戻率って何? おさえておきたい基本の考え方

生命保険

終身保険や貯蓄性のある保険を途中で解約すると戻ってくるお金がありますが、その戻ってくる割合が「返戻率(へんれいりつ)」です。できれば、返戻率の高い保険に入っておくと、もし解約する場合にもよいですよね。今回はその考え方の基本を確認しましょう。

保険の返戻率とは

返戻率とは、支払った保険料に対し、解約したときにどれだけのお金が受け取れるかという割合を指します。

例えば解約返戻金(解約したときに戻ってくるお金)100万円、支払保険料総額100万円の場合、

(解約返戻金100万円)÷(支払保険料総額100万円)×100=返戻率100%

という計算になります。

返戻率が100%以上なら払い込んだ保険料を上回るお金が返ってきますし、もし100%以下なら戻ってくるお金は払い込んだ保険料を下回る計算になります。

もしこの返戻率が高くないなら、貯蓄性があまりないと思って良いでしょう。

もしこの数字が0に近いほど小さい数字なら、解約したときに戻ってくるお金は全くない、もしくはほんの僅かとなります。

保険会社によっては、「戻り率」という言葉を使う会社もありますが、この戻り率とは返戻率のことで、意味はそのまま同じです。

解約返戻金がある保険内容の種類

一般的に解約返戻金がある保険種類、つまり貯蓄性のある保険種類といえば、終身保険・養老保険・学資保険・個人年金保険、そして一部の定期保険といったところでしょうか。

現在、保険の解約返戻金には下記の3つの型があります。契約を検討する際は、解約返戻金がどの型になるのかしっかり確認しましょう。

従来型

解約返戻金がある保険の中で基本となるタイプです。満期があるタイプでは、満期に近づけば近づくほど解約返戻金の返戻率が高くなります。

終身保険などでは、保険料払込期間満了後も契約の年数が長くなると返戻率が高まることがあります。

解約返戻金を資産形成の一つの手段として活用しやすいタイプではありますが、円建て商品の場合昨今の超低金利(マイナス金利)状況等の影響で返戻率は以前に比べ低くなっている傾向にあります。

低解約返戻金型

保険料を支払っている期間の解約返戻金を、従来型の70%程度に抑えているタイプの保険です。

保険料を支払っている期間の解約返戻金は少なくなるかわりに、保険料を割安にしています。

早期解約してしまうと戻ってくるお金が少なくなってしまいますが、保険料の払込期間満了後は、解約返戻金の返戻率が上がるのが一般的です。

保険商品によっては、払込期間満了後に返戻率が100%近くになる保険もあるため、従来型同様教育費準備等、資産形成目的として活用しやすい保険と言えます。

無解約返戻金型

いわゆる掛け捨て型の保険です。解約しても返戻金がないので、保障額が同じであれば支払保険料は解約返戻金があるタイプの保険と比較してかなり割安になります。

返戻率が高い保険と低い保険

上記のように、同じ保険種類の中でも解約返戻金の型によって返戻率に大きな違いが生じたり、保険会社や通貨によっても違ってきたりします。以下の項では、色々なケースを考えてみたいと思います。

返戻率が高いのはどんな保険?

一般的に貯蓄性のある保険といえば、終身保険・養老保険・学資保険・個人年金保険といったところでしょうか。

保険に加入する際は、その目的に応じて保険の種類を選ぶ必要があります。

返戻率はその保険の種類によって違いますので、同じ保険種類の中で比較検討することが必要になってきます。

同じ保険種類の中、同額の保障内容で比較した場合、各保険会社が保険料を決定する際の「予定利率=保険料を決定するために使用する保険特有のもので、契約者に約束する運用利回り」の高さが、返戻率の高さの一つの目安になると思います。

ただ、現在の日本の超低金利状態では、各社とも予定利率に大きな違いはありません。

なので、各種保険の返戻率を高くする方法としては、保険料の払込を短縮して支払う、いわゆる「短期払」という形があります。

この方法を取ると返戻率は場合によっては飛躍的に高くなることがあります。

ただし、本来の保険料の払込期間を短縮して支払うことになりますので、同じ保障内容であれば保険料は必然的に高くなります。

返戻率が低いのはどんな保険?

昨今では各社とも「低解約返戻金型保険」を発売しています。

従来の保険に対して保険料を安くする代わりに、返戻率も低く設定されています。

これは主に終身保険を中心とした商品構成になっており、保険料払込期間中の返戻率は従来の60%~70%の返戻率にとどめられ、払込期間終了後に従来の返戻率以上の数値になるというのが一般的な形です。

標準的な低解約返戻金型ではない保険と比べると低解約返戻金型保険のメリットは、保険料が安く設定されているので無理なく保険運用ができることですが、払込期間中に解約した場合は低い返戻金しか受け取れないことがデメリットとなります。

返戻率が高い保険を選ぶには?

日本の超低金利状態が続く中、各保険会社の貯蓄性商品の主力となっているのが外貨建ての保険商品で、主に米ドルや豪ドルで構成されています。

円建ての貯蓄性商品と比較すると、高い予定利率で設定されている場合が多いので、その分返戻率も高く、保険料も割安に設定されています。

また保険会社によっては、利率変動型商品も発売しており、金利上昇時には返戻率も高くなるというメリットもあります。

ただし外貨建て商品は為替変動のリスクが伴いますので、その点には十分なご注意が必要です。

解約返戻金を貯蓄代わりにすることは可能?

考え方として、「保険の解約返戻金を貯蓄代わりにする」というよりは、万一の保障を備えつつ資産形成のためにも活用でき、なおかつ保険ならではのメリット(生命保険料控除・個人年金保険料控除等)も受けられるものとして総合的にと捉えた方が良いと思います。

返戻率を比較するときに大切なこと

返戻率を比較する際にパンフレットや設計書上の数値データを比較することはもちろん大切なことですが、その前にそもそもの保険加入の目的は何なのか、保障内容はどうなっているのか、保険料は無理なく支払っていける額なのかという点をご自身でしっかり確認・把握した上で検討することが重要です。

保険加入の目的を考える

やはり一番大切なことは何のために保険に加入するかです。

元から貯蓄目的の人もいると思いますが、殆どの人は万が一の事態に備えつつ、必要な時に使えるお金の積み立てが目的ですよね。

そのため、どういった状態になれば保険金の受け取りができるのか、どのくらいの期間で払込を終わらせれば良いのかも当然変わってきます。

まずは、自分が何のために保険に加入したいのかを明確にしましょう。

その目的を見失わないことが、保険を無駄に終わらせないコツとなります。

保障内容もしっかり確認する

返戻率が高いとそちらの方にばかり気を取られてしまい、保障内容をないがしろにしがちになってしまいます。

そのため、

•どういった条件で保険金が支払われるのか?
•どのような特約が付加できるのか?
•どの状態になったら保険料が免除されるのか?

などの保障内容を見落としてしまいます。

そのため返戻率が高いからといって、早期に契約することは止めましょう。

一度きちんと保障内容を確認することで、保険をもっとお得に利用することができます。

無理なく払える保険料か?

返戻率が高いと払込期間中でも保険料が高い場合があります。

保険料が高いとそれだけ返戻率も高いので、払込期間中に解約してもまとまったお金を手にすることができるというメリットがあります。

しかしながら、ごく短期間での早期解約となると支払われると思っていた解約返戻金は無い、またはごくわずかという場合が多いです。

返戻率・解約返戻金がある保険を検討するのであれば、早期解約を行わなくても良いように、内容を見極めたうえで自分のお財布と相談しながら無理のない範囲で契約しましょう。

まとめ

返戻率や解約返戻金があると貯蓄性があると思い、高い返戻率につられがちになってしまいます。

しかし保障内容や保険料などに目を向けるようにしないと、せっかく返戻率の高い保険に加入したのに、早期解約にならないとも限りません。

そうならないために、自分にとって何が重要なのか整理したうえできちんと保険を選ぶことが重要です。

執筆者

猿渡 久人(ファイナンシャルプランナー)

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