簡単解説! 変額保険の特徴と種類

生命保険

「変額保険」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

年では様々な資産運用をされている方も多くなりましたが、この商品を利用されている方も多くいらっしゃいます。

では、この商品はどのようなもので実際どのように加入したらよいのでしょうか。

その特徴や種類、メリット・デメリットをご紹介します。

変額保険とは

変額保険とは、言葉を見てもわかるように「保険」であるということが大前提です。

しかしその仕組みを利用して資産を運用することを目的に加入者が増加しており、この商品を販売する保険会社も増えてきています。

仕組みとしては、保険会社が委託した運用会社を通じて保険料の一部を主に株式や債券などの有価証券に投資し、その資産の運用実績に応じて将来受け取る金額が変動するものです。

運用する資産については、一定の給付が保証され資産運用に際しても安全性が重視される定額保険の資産とは明確に区分して運用及び経理を行う必要があるため、定額保険に関する勘定(一般勘定)とは別の特別勘定(ファンド)を設けてその資産を運用しています。

一時払

払方としては定額の一時払保険と同様、契約時に全ての保険料を一括で支払うものです。

一時払の変額保険では、変額終身保険と変額個人年金保険で保険料を一括で支払って加入する方法があり、一時払変額終身保険には円建てと外貨建てがあります。

また、加入した時点で支払った保険料と同額が死亡保障として最低保証されるものが一般的です。

平準払

平準払の変額保険としては、終身型・有期型・年金型の3種類が発売されています。

これらは契約時に決めた払込期間、月払/半年払/年払のいずれかで保険料を支払っていくものですが、この方法は変更可能です。

また、保険料は定額です。

変額保険と定額保険の違いと時代背景

そもそも、変額保険と定額保険の違いはどこにあるのでしょうか。

このコラムの最初で変額保険について、「保険会社が委託した運用会社を通じて保険料の一部を主に株式や債券などの有価証券に投資し、その資産の運用実績に応じて将来受け取る金額が変動するもの」と説明しました。

では定額保険は運用しないのかというと実際には運用しています。しかし、その運用方法や目的に違いがあり、定額保険は主に国債・地方債や公社債等基本的に元本が保証される可能性が高いもので運用しており、将来にわたって大きく殖やすことよりも確実に残すことに主眼を置いています。

1970年代から80年代、日本では郵便局の定額貯金の利率で年8%程あった時もあり、元本保証で十分お金が殖えた時代です。

保険会社としては確実な日本国債・公社債で運用することで10年後20年後に手堅く殖やすことができたわけですが、2000年以降は軒並み金利が下がり、小数点第2位つまり0.0いくつ、といった超低金利のため国債等では資産を殖やすことは非常に厳しい状態です。

したがって、特別勘定(ファンド)を設けて保険料の一部を投資信託等で運用し、資産形成をしていく変額保険を販売する保険会社が増えてきました。

しかし様々な注意点もありますので、メリット・デメリットについては後述します。

変額保険の種類

変額保険の種類としては、終身保険タイプの変額保険(終身型)と養老保険タイプの変額保険(有期型)、変額個人年金保険(年金型)があります。それぞれのタイプの特徴についてご紹介します。

終身型

変額保険(終身型)は一生涯の死亡保障があるもので、死亡・高度障害保険金は特別勘定資産の運用実績に基づいて毎月保険金額が増減します。

ただし万が一のことがあった場合でも、契約時に定めた保険金額(基本保険金額)が保証されます。

更に、運用が順調だったタイミングで保険金を受け取るようなことがあった場合には、基本保険金額に変動保険金額分が上乗せされます。

同様にそのタイミングで解約した場合には、当初予定していた解約返戻金を上回る可能性があります。

しかし、運用が不調だったタイミングで解約した場合には、当初予定していた解約返戻金よりも下回るかもしくは受け取れなくなる可能性があります。

有期型

変額保険(有期型)は満期までの死亡保障と満期保険金があるもので、死亡・高度障害保険金は特別勘定資産の運用実績に基づいて毎月保険金額が増減しますが、基本保険金額は満期まで保証されています。

運用が順調だったタイミングで死亡/満期保険金を受け取るようなことがあった場合には、基本保険金額に変動保険金額分が上乗せされます。

しかし満期保険金には最低保証がなく、運用実績によっては満期金額が基本保険金額を下回ることがあります。

年金型

定額の個人年金保険同様、将来年金として受け取るための原資を一定期間積み立てていくものですが、有価証券を利用するため資産運用目的の性格が強く、年金額が運用次第で大きく増える可能性がある一方、年金支払総額が払込保険料総額を割り込むリスクもあります。

年金額は年金支払開始日の前日までに積立てられた金額(年金原資)により決まりますが、一般的に最低保証はありません。

また、年金支払開始後積立金を一般勘定に移すタイプであれば毎年受け取る年金額は確定しますが、開始後も特別勘定で運用するタイプは運用実績によって年金額も増減します。

受け取れるお金はどうなるのか

変額保険に限らず、貯蓄性保険商品ではお金を受け取る方法が3つあります。

1つは死亡・高度障害保険金もしくは死亡給付金として、次に満期を迎えたときに受け取る満期保険金(有期型の場合)、そして解約時に受け取ることができる解約返戻金です。

ここでは、それぞれについて説明していきます。

死亡保険金

このコラムの最初に述べましたように、変額保険とは「保険」になります。

したがって、終身型及び有期型には死亡・高度障害時に保険金を受け取る機能があり、最低でも契約時に定めた基本保険金額が保証されています。

また年金型でも、年金支払開始前に死亡した場合は、死亡日の積立金額や支払った保険料などで算出された死亡給付金が支払われるものが一般的です。

当然、運用実績が好調であれば受け取る保険金額も多くなる可能性があります。

満期保険金

変額保険(有期型)は養老保険の一種なので保険期間満了時に満期保険金を受け取ることができます。

定額の養老保険では契約時に決めた基本保険金額と満期保険金額は同額なのに対し、この商品は保険期間中特別勘定で運用されるため、満期保険金額が契約時の基本保険金額と同額にならないことがあります。

運用が好調の場合は契約時に設定した満期保険金よりも多く受け取ることができますが、満期保険金額には最低保証がないため、運用の成果が上がらない場合には当初予定した満期保険金額を下回ることがありますので、加入時に充分理解することが必要です。

解約返戻金

変額保険の最大の特徴が、積立金を特別勘定で運用していくことにあります。

したがって、運用実績が好調であれば解約返戻金も大きくなる可能性があります。

しかし運用がうまく行かなった場合には解約返戻金も小さくなる危険性があります。

各保険会社の提案書でも複数のシミュレーションを設定していますが、保険金と違い解約返戻金には最低保証がありませんので、信頼のおけるプランナーに充分説明を受ける必要があります。

変額保険のメリット・デメリット

運用次第でお金や保障を増やすことができるという利点がある反面、定額保険と比べて知っておくべきことが多く、注意しなければならない点もあります。以下をよくご理解ください。

メリット

有価証券を利用して特別勘定を運用するため、成果が上がれば定額保険と比べて大きく保険金額や年金額・解約返戻金額を増やすことができます。

また、死亡保障機能が備わったものであれば、一生涯もしくは満期までの一定期間基本保険金額は最低保証されていますし、運用次第では保障の上乗せが可能です。

更に投資信託と比較した場合、保険料控除や運用収益の課税繰り延べ、一時金受取時の軽減策や死亡給付金の相続税の非課税枠など、税制面でもメリットがあります。

デメリット

運用の成果が上がらない場合、「当初目的としていた積立金が得られない=かえって資産を減らしてしまう」ということ、つまり満期保険金額/年金額/解約返戻金額が支払保険料を下回る可能性があるということです。

しかもほとんどの場合変額保険には満期保険金額/年金額/解約返戻金額に対する最低保証はありません。

更に、「生じた損失に対しては全て契約者の自己責任」であるということです。

その内容をしっかり把握していないで安易に加入するべきではありません。

変額保険に向いている人・向いていない人

変額保険の特徴は、保障を持つとともに長期にわたる資産形成が可能です。

ただし、短期的に運用がうまくいかないタイミングもあれば、解約時の返戻金が、既払込保険料を下回る場合もあるかもしれません。

短期的な視点で、「運用がうまくいかない!」だから解約をしてしまえ!ということになれば、保障もなくなり、資産形成の目的も果たせなくなってしまいます。

あくまでも保険ですので、投資だけの目的で加入を考えている方には不向きかもしれません。

逆にどういった方が変額保険に向いているのでしょうか?
・保障と資産形成を両立させたい
・長期の保障を割安で得たい
・投資目的で一喜一憂しない

このような方々はどちらかと言えば、向いてるかもしれません。

私のお客様でもこのような方がいらっしゃいました。

養老保険に加入していたが満期が来たので満期保険金を受け取ると支払った保険料より少なくなっていた。

このまま養老保険を続けても保険料が高くなるばかりで満期保険金は殖えないので結局資産が目減りしてしまう。

しかも保障が切れると家族も困ってしまう・・・。

ということで、変額保険の終身型を提案してみました。

年齢にもよりますが、一般的には終身型の変額保険の保険料は、定額の終身保険よりも保険料は低く設定されています。

また、長期的な資産形成が可能なことを説明した結果、受け取った満期保険金で終身型変額保険のすべての保険料に充当する方法でご加入されました。

比較的自分は向いている方と思われた方は、検討してみてもよいのではないでしょうか。

ただし、これも後述しますが、しっかりした提案と情報提供をしてくれるFPからお話を聞かれることをお勧めします。

変額保険を利用するポイント

複数の保険会社が変額保険を扱うようになってきましたが、ファンドがそれぞれ違いますし、その特徴も違います。
したがって下記のポイントを理解してください。

長期的な視点

各社運用するファンドを形成する中で、そのファンドが過去何年間のスパンでどれだけ実績が出たのかを知ることも重要です。

過去に実績が出ているからといって、将来も確実に利益が出るという保証はありませんが、そのファンドの特徴と将来性を検討する大きな材料になります。

保険会社が作成している変額保険についての資料の過去データでも10年スパンで考えることで、リスクが抑えられています。

FPに相談したうえで契約する

ここまでお話ししたように、変額保険は仕組上保障と運用を考える必要があるものです。

したがって、具体的な保障額の決定や保険料・運用結果とリスク・ファンドの特性等より多くの正確な情報を得なければ「思っていたのと違う!」となってしまいます。

ですので、正しい仕組みや情報を提供してくれるFPにしっかり相談したうえで検討してください。

せっかくの良い商品も役に立たなくなってしまいます。

まとめ

お金を増やす方法として預貯金さえしておけば「安全・安心」という時代はすでに遠い過去となってしまいました。

超低金利が続く世の中では、どうやってお金を増やすか=いかにうまく運用するかをしっかり考えなければなりません。

変額保険はその方法のひとつとして考えられるものですが、そのために様々な金融商品について詳しく知ることもですが、ご自身がどのようにしたいかを見つめなおすことが必要です。

いつまでに
どれくらいのお金が必要なのか
保障はどれくらい必要なのか
そのためにどれだけのお金を掛けられるのか

このコラムがその解決の一助になれば幸いです。

執筆者

武宮 英樹(ファイナンシャルプランナー)

1994年大学卒業後、医療機器商社へ入社。開業コンサルタントとして、ドクター・薬剤師の方々の独立支援に一貫して従事。13年間、そこで培った医療法人の経営、医療関連の知識、そして長きに渡る実父母の介護、様々な経験より、ファイナンシャルプランナーへの道へ導かれる。2007年、外資系生命保険会社に転職。更に飛躍すべく2014年より現職へ。「知っているのと知らないのとでは大違い」を合言葉に、「リスクマネジメント」と「資産形成の必要性」を一人でも多くのクライアントへ伝えることをモットーとしている。
■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント
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