仕組みを知ろう! 生命保険の配当金

生命保険

生命保険にも配当金があるということをご存知ですか。契約によって、配当があるものと無いものがあります。商品の名前に「有配当」や「無配当」と書かれているのを目にした方もいらっしゃるかもしれませんね。この記事では生命保険の配当金についての基本的な情報をお伝えしていきます。しっかり読んでいただいて、より良い保険選びの一助としてください。

生命保険の配当金って何?

配当とは

さて、それでは生命保険の配当金とはどのようなものなのでしょうか。

その仕組みを見てみましょう。

生命保険の保険料を決めるために、保険会社は3つの要素:「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」を算定します。

これら3つの予定率と実際の率に差によって剰余金が発生した場合に、その一部を契約者に分配して還元する仕組みがあります。

この分配されるお金を「配当金」と呼びます(下図を参照)。

例えば実際の利回りによる収入が予定利率による収入見込みを大きく下回るなどして、3つの差損益の通算がマイナスになった場合は配当金がゼロになることもあります。

なお、この3つの差損益のことを「3利源」と呼びます。

※生命保険文化センター発行 「生命保険・相談マニュアル」(平成28年7月改訂版)から引用

分配方式

生命保険契約には、配当金の分配がある「有配当保険」と分配の無い「無配当保険」があります。

※生命保険文化センター発行 「生命保険・相談マニュアル」(平成28年7月改訂版)から引用

有配当保険には3利源から生じた剰余金から配当を行う「3利源配当タイプ」と、利差益から生じた剰余金から配当を行う「利差配当タイプ」の2つがあります(上図を参照)。

配当金の支払いについては、一般的に「毎年配当型」「3年毎配当型」「5年毎配当型」の3タイプがあります。

なお、毎年配当型は毎年配当がありますが、通常契約後3年目から配当金が分配されることに気をつけてください。

配当金の受け取り方法

次に、配当金が分配される場合の受け取り方について見ていきましょう。

方法は4種類あります。

積立

一つ目は「積立」です。

これは配当金を生命保険会社に積み立てておくもので、それぞれの保険会社が決めた利息がつきます。

一般的には積み立てた配当金は途中で引き出すことも可能です。

満期や死亡により保険金を受け取る場合は、保険金と一緒に配当金を受け取ることになります。

一般的には、この積立が最も多いようです。

個人年金保険の場合は、積立配当金を年金原資に繰り入れて、年金額を増やすこともできます。

なお年末調整・確定申告で保険料控除が受けられる「税制適格特約」をつけている契約については、積立配当金を引き出すことはできず、全額を年金原資に繰り入れることになります。

買増

二つ目は「買増」です。

これは配当金を一時払の保険料として、保険を買い増していくものです。

各保険会社で買い増しができる保険は異なりますので、保険会社や担当者に確認して対応する必要があります。

相殺

三つ目は「相殺」です。

これは配当金を使って保険料と相殺する方法で、配当金の分だけ保険料負担が少なくなるというメリットがあります。

現金支払

最後は「現金支払」です。

これはシンプルに、その都度配当金を現金で受け取る方法です。

配当金に税金はかかる?

それでは配当金を受け取る場合には、そこに税金はかかるのでしょうか。

原則としては、配当金に課税はされません。

しかし、配当金の受け取り方によっては税金がかかるケースがありますので注意が必要です。

個別のケースを確認しましょう。

契約期間中に配当金を受け取った場合

この場合は、配当金に対して税金がかかることはありません。

ただし、気をつけたいことが一点あります。

生命保険料控除が受けられる保険契約においては、「支払った保険料の金額」から「受け取った配当金」を引いて申請する必要があります。

なお、法人契約の場合は、受け取った決算期の益金として計上する必要があり、法人税が課税されます。

<h3保険金の支払い開始の日以降に配当金を受け取った場合

配当金を年金で受け取った場合には「雑所得」として、一時金で受け取った場合には「一時所得」として申告が必要で、所得税の対象となります。

保険金と一緒に配当金を受け取った場合

この場合は、配当金を保険金と合算し、その金額が課税対象となります。

保険契約によって課税される税金が異なりますし、契約者と受取人の関係によっても同様に異なりますので注意しましょう。

保険会社に確認したり、信頼できるプランナーに問い合わせることをお勧めします。

まとめ

以上、生命保険の配当金に関する基本的な仕組みやポイントについて説明をして参りました。

ご理解いただけましたでしょうか。

現在のようにマイナス金利の状況では、保険会社も予定している利率より高い金利で運用することは、なかなか大変なことです。

配当金を期待して、契約をするというのは少し難しい時期かもしれません。最後に配当の有無を考える上での注意点をまとめたいと思います。

・無配当の保険契約は、配当を予定していない分保険料を低く設定している
→その代わりに、配当が出しやすい状況になった時も配当金は受け取れません。

・有配当の保険であっても、設定された時期に必ず配当があるわけではない
→「配当とは」の所でもお伝えしたように状況によっては、配当がゼロになることもあります

・転換制度を利用した場合、積み立てられた配当金は新しい保険の保険料に充当され消滅する
→転換で配当金を充当してメリットがあるのか、デメリットになるのかの判断が必要です。

保険の加入を検討する際のポイントの一つとして、配当のことを頭に入れてみてください。

保険契約は基本的に長期に渡るものですので、その時々で有配当が良いかも、無配当が良いかもと迷うケースもあるかもしれません。

その時は、「何のために保険に入るのか」という原点に立ち返って判断することが重要だと思います。

プランナーはそんな場合に、寄り添いながら客観的なアドバイスをしてくれますので、彼らの知恵や経験を頼りにしてみるのも良いかと思います。

執筆者

速水 秀樹ファイナンシャルプランナー

1996年大学卒業後、繊維・化学メーカーに就職。ライフサイエンス関係の商品を海外展開する職務に従事。その頃「将来は海外での生活」を夢見るが、実母と祖母のダブル介護に直面し、サラリーマン生活に終止符。この時大きな人生の岐路に立ち、ライフプランニングと出会う。その重要性に気付き、自身がファイナンシャルプランナーへ。介護の経験、豊富な知識を生かし「お客様に誠実に寄り添い、本当の声を聴く」をモットーに活動中である。学生時代から登山が趣味。山登りで学ぶ先を読む力が、相談業務にも生かされている。執筆は、介護に関する記事も。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格
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