離婚したときの生命保険の手続きは? 契約変更のポイント

生命保険

独身から結婚した際に保険の見直しが必要となるように、離婚して独身に戻ったときにも必要保障は変わってきます。

離婚したときは生命保険の手続きをせずに放置してしまうと、後になってトラブルに発展する可能性もあります。

離婚時の手続きや契約変更のポイントについて確認致しましょう。

離婚時に生命保険の手続きが必要なケース

契約者と被保険者の名義を変更する場合

保険の契約形態で多いのは、契被同一といって、契約者・被保険者が同じケースです。

離婚後に改姓がある場合は、名義変更が必要となります。

より注意しなければならないのは、契約者と被保険者が別々の場合です。

保険契約者が配偶者であった場合には、ご自身へ契約者変更手続きを行い、改姓も伴う場合には、名義変更も合わせて行ってください。

契約者・被保険者が同一の場合

契約者被保険者
ケース①
ケース②

改姓が伴う離婚の場合の名義変更のみ

契約者・被保険者が別の場合

契約者被保険者
ケース③
ケース④

契約者被保険者
ケース③
ケース④

契約者が配偶者の場合、自身へ契約者変更が必要
改姓が伴う場合は、名義変更も合わせて行う

受取人が配偶者になっている場合

生命保険加入の際、保険金受取人を配偶者とするのが一般的です。

よって、離婚したら保険金受取人も変更する必要があります。

受取人の変更先として一般的なのは、子どもがいらっしゃる場合は、子どもとなるでしょう。

この場合、子どもの親権・監護権がどちらにあっても、問題ありません。

子どもがいらっしゃらない場合は、親や兄弟という選択になると思います。

なお、親や兄弟がいらっしゃらない場合は、保険会社により取り扱いは変わると思いますが、「被保険者の法定相続人」と記載するようになると思います。

再婚された場合は、その時に再婚相手や、再婚相手との新しい子どもに変更されれば良いでしょう。

離婚後も保険金受取人を変更せずにいる状態で被保険者が亡くなった場合には、保険金は元配偶者へ支払われてしまいます。

保険金は受取人固有の財産として法律上、固く守られています。

再婚されて、再婚相手に残してあげたいと思っても、叶わなくなりますので、十分にご注意ください。

なお、上記変更だけでなく、下記も忘れずに変更手続きを行うようにしてください。

  • 指定代理請求人
  • 住所・電話番号
  • 保険料振替口座・クレジットカード など

生命保険を解約する場合

離婚により保障の必要性が変わりますので、状況によって解約、減額などにより保障内容を削減することもあります。

その場合、掛け捨てタイプであれば、解約返戻金が無いため損得はありませんので、解約すること自体には問題はありません。

しかしながら、再婚などでまた保障を追加する際に年齢や健康状態によっては、再加入が思うようにいかないケースも想定してください。

解約でより気を付けなければならないのは、積立タイプの保険です。途中解約することで払込保険料に対して、解約返戻金が目減りしてしまうこともありますので、ご注意ください。

また老婆心ながら、感情的に必要なものまで解約することは、避けてください。

すべてスッキリしたい気持ちもあるかもしれませんが、一時の感情で判断すると後で後悔することにも繋がります。

受取人を子どもに変更するメリット・デメリット

ここでの前提は、子どもの親権・監護権を元配偶者が持ち、自分は単身に戻ったけど、自分の生命保険金受取人を子どもにした場合です。

メリット

配偶者と別々の道を歩む決断をし、それにより子どもとも離れて暮らすことになったとしても、子どもへの愛情が変わるものではありません。

離婚後に保険金受取人を子どもにすることで、自分の子どもへの愛情を形にして、残すことができる。

これは大きなメリットと言えるでしょう。

税制的な面でいいますと、離婚後でも実子には法定相続人として相続権があります。

保険は、ほかの相続財産と比べ、個別に相続税非課税枠があり「法定相続人の数 × 500万円」が非課税となります。

これは、受取人を子どもにする・しないで変わるものではありませんが、予備知識として持っていただくといいも思います。

デメリット

特に大きなデメリットがある訳ではないですが、私のご相談者のケースをご紹介します。

その方は離婚され、元配偶者がお子様の親権を持ちました。その元配偶者が再婚し、その再婚相手との間に新しく子どもが出来ました。

その後、ご相談者本人が亡くなったことで大きな保険金がご相談者と元配偶者の間の子どもに支払われ、元配偶者の再婚相手や新たな子どもとトラブルになったことがあります。

離婚時の生命保険の見直しのポイント

離婚する前に見直しをする

もちろん、離婚前でゴタゴタし、お互い感情的にもなっているかもしれないときに、冷静に保険の見直しをできる状況ではないかもしれません。

ただ、もし冷静に話し合いをできる状況であれば、財産分与全般の話の一部として、離婚後の保険の取り扱いについても話し合われることを、強くオススメ致します。

特に学資保険など、積立型の生命保険はその後の子どもの教育資金に影響しますし、法律上も現金、株式などと同様に財産分与の対象となります。

また、財産分与と関係無い保険契約についても、下記を明確にしておくと離婚後に問題を引きずらずに済みます。

  • どの保険契約を継続するのか、解約するのか
  • 契約者、受取人をどのように変更するのか
  • 保険料の負担は、誰が行うのか

婚姻時に世帯主の場合は保障内容を削減する

保険は万が一の場合に、残された家族のその後の生活を守るために入ります。

婚姻時に自分が世帯主であった場合、自分が子どもの親権・監護権者になるならないに関わらず、配偶者分の保障は必要なくなりますので、少なくともその分は保障を減らすことができます。

もし、子どもがいない場合には単純に単身に戻りますので、やはり単身向けの保障内容に変えることができます。

婚姻時に扶養家族の場合は保障の上乗せをする

婚姻時に扶養家族であった場合は、もともとご加入の保障を抑えられているケースが多いです。

その分、離婚後にしっかりと保障を掛け直す必要があるかもしれません。

特に、父子家庭・母子家庭、つまり子どもの親権・監護権を持つ場合には、改めて世帯主となる訳ですから、保障をしっかりと手厚くする必要があります。

また、見落としがちなのは、子育てを終えた後のご自身の老後の生活です。

老後もしっかりと見据えた保障の持ち方や資産形成の見直しも必要となりますので、改めてライフプランを作ることを強くオススメします。

まとめ

離婚の理由も形も様々だと思いますし、感情的になっている場合も多いと思います。

早く関係をスッキリしたい気持ちも理解できます。しかしながら、保険はその後の人生の経済状況に大きく影響する大切なことですので、是非、冷静に慎重にご判断ください。

今後の人生がより良いものとなりますように、心より祈願いたします。

執筆者

杉村 和哉(ファイナンシャルプランナー)

東京都杉並区で生まれ、幼少期をニューヨークで過ごし、帰国後は茨城の大自然で育つ。2人の娘の父親。メーカーの国際営業として社会人をスタートしたが、人生をより豊かにしたいと金融の勉強を独学で始め、30代後半で大手外資系金融へ移り、FP資格を取得。大手ハウスメーカー提携FPとして、住宅購入資金・返済計画の個別相談を受けつつ、ライフプランをもとに教育、老後、将来の夢の実現に向け、経済的解決策をアドバイス。『話す』より『聴く』をモットーに、延べ1,000世帯以上をコンサルティング。趣味は、学生時代より30年以上続けるバンド演奏、キャンプやトレッキングなどアウトドア活動、ヨガなど。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格相続診断士
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