高血圧でも生命保険や医療保険に加入できるの?

医療保険

高血圧の方が保険加入する際に、どのような影響があるのでしょうか。ここでは、保険加入の際の注意点等について解説をさせて頂きます。

高血圧だと生命保険には入れない?

まず、高血圧の方が、生命保険に加入する際に以下の条件等に留意する必要があります。
ここでは、いくつかのポイントに絞って解説をしていきます。

高血圧は持病扱いになる

日本高血圧学会によれば、血圧の値が収縮期血圧(最大血圧)/拡張期血圧(最低血圧)のどちらか一方、もしくは両方が140/90mmHg(※)以上を高血圧と定義しています。

高血圧は、放置しておくことで脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気を併発することが多い点も注意が必要です。
これは、高血圧状態が続くと、血管が硬く狭くなり(動脈硬化)、さらに血圧が上昇することにも繋がると言われているからです。

また、糖尿病・慢性肝炎等と同様に、「慢性疾患」とされ、定期検査や治療・投薬を受ける必要がある病症となります。

そのため、生命保険・医療保険ともに、加入の際に出来るだけ詳細な「告知」をした上で、加入の可否を判断する必要があります。

一般的に、告知書記入の際の質問事項のうち、「過去5年以内に、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたかどうか」や「過去5年以内に病気やけがで、通算して7日以上にわたり、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたかどうか」について等の質問事項に対し、告知する必要があります。

また、食事療法・運動療法等の投薬治療をしていない場合も告知が必要になりますので、忘れずに告知することが大切です。

(※)mmHg(ミリメートルエイチジー)
水銀柱(すいぎんちゅう)ミリメートルの事。
圧力を測定する際にガラス管内に入れた水銀の高さを観察し圧力を示す数値(単位)として利用されています。
いくつかの国では、血圧の計測単位として使われています。

保険の加入が難しいケース

主に、高血圧の方は血圧を下げるための降圧薬等の投薬治療をし、血圧をコントロールしています。

しかし、投薬等治療を受けている状態でも、高血圧基準「収縮期血圧(最大血圧)140mmHg/拡張期血圧(最低血圧)90mmHg」を超えている場合には、保険加入が厳しくなる場合があります。

一方、降圧薬等治療により血圧の数値が安定している場合には、加入できる可能性があります。

各保険会社では、保険種類別(生命保険・医療保険・がん保険)に、主に被保険者の年齢、血圧値(最大血圧・最低血圧)、その他合併症の有無、治療開始からの経過期間、薬剤名、直近の血圧測定値等による引受目安を設けています。

加入時は、上述の告知項目について出来るだけ詳細な告知をすることが重要です。

また、保険会社によって通常の告知書に加え、「補足告知書」の記入が必要の場合や、直近受診の健康診断書の提出が必要の場合があります。

各保険会社によって引受条件が異なるため、事前に引受目安等を確認することも大切です。

告知内容によって、申込通り(無条件)加入できる場合と、保険金額削減や保険料割増等の特別条件が付保されることで、通常の生命保険・医療保険に加入できることもあります。

生命保険や医療保険に加入する方法

上述の通り、まずはしっかりと告知をすることが大切ですが、告知内容によっては加入条件が厳しくなるケースもあります。
ここでは以下の内容について解説をさせて頂きます。

一定期間以上の治療をする

治療をしていない状態で血圧値が高い場合や、高血圧の治療を始めたばかりの状況では加入は厳しくなります。
降圧薬等の治療によって、数値が安定してくれば、加入の条件に該当することもあります。

少なくとも治療開始からおよそ6ヶ月~程度は、様子を見る必要がありそうです。

引受緩和型の保険を選ぶ

通常の生命保険・医療保険の告知項目に該当してしまい、加入できない条件となった場合には、引受条件緩和型や限定告知型の生命保険・医療保険を検討することをおススメします。

引受緩和型(限定告知型)の生命保険・医療保険は、健康に不安のある方でも、引受条件を緩和あるいは限定することで加入しやすくした商品です。

告知項目や引受基準は、保険会社によって異なりますが、告知書の告知項目はおよそ3~6項目程度で、質問項目に対し、すべて「いいえ」なら加入が出来る保険になります。

尚、留意点として、限定告知や引受緩和型とは言え、現在の持病や症状によっては告知項目に該当するケースもあります。各社によって、告知を求められる内容や傷病名等の告知項目に多少の差異がありますので、複数社の保険商品を検討し告知項目を確認した上で加入されることをおススメします。

引受緩和型の保険の特徴とは?

引受緩和型(限定告知型)の生命保険・医療保険は、以下のような特徴があります。

まず、契約日から1年間は保障が50%削減されるタイプの保険から、契約1年目から全額保障されるタイプがあります。

通常の保険に比べ、多少付帯できる特約も限定されることになりますが、死亡保障を持つことや、入院や手術等に備える医療保障を持つことが出来ます。

■詳しくは、下記もご参照下さい。

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保険料が割増になる

引受基準緩和型や限定告知型の生命保険・医療保険は、通常の生命保険・医療保険に比べ、保険料は割高になります。
各保険会社の商品によって、保険料や保障内容も様々……。

保険料支払い可能な金額を把握し、無理なく続けることが出来る範囲で加入をすることが大切です。

給付金額や保障が削減される

加入から一定期間(主に1年)は、保険金額や入院給付金額が削減される商品もあります。

保険種類によっては、削減期間がないタイプの保険も販売されていますので、併せて検討することが大切です。

特定の疾病内容が保障対象とならない

加入前からの持病や治療中の傷病について不担保とする場合があります。

また、特定部位の疾病については、一定期間支払い対象外とする等の条件を付保されるケースもあります。

まとめ

ここまで、高血圧と生命保険・医療保険について解説をして参りました。
高血圧になると加入できる生命保険や医療保険にも影響されることがご理解頂けたかと思います。

また、合併症等になるリスクも高くなると言われていますので、健康上の心配も大きくなります。
加えて、医師の診察や降圧薬等治療も必要になるケースとなりますから、医療費支出も膨らんでいきます。

一方、以前は高血圧になると降圧薬等を一生飲み続けなくてはならないと考えられてきました。
血圧値を下げる意味では降圧薬は効果的とされますが、高血圧そのものの原因を治すわけではありません。

多くの高血圧の原因は、喫煙や飲酒等の食生活や運動不足等が大きな原因とされています。
減塩や適度な運動、肥満是正等の生活習慣の改善によって、血圧を下げ健康な身体を取り戻すことも不可能ではありません。

日々の健康意識と病気を寄せ付けない身体づくりを心掛け、“薬や保険に頼らない生き方”こそ、もっとも素晴らしいことと考えています。

執筆者

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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