シングルマザーが入るべき保険を考えよう

生活

シングルマザー、シングルファーザーの方はご家庭の収入や子供の養育費など、何かと経済的に不安なことも多いのではないでしょうか。少しでも解消するために、保険を選択肢の一つとして考えてみましょう。

子どものためにかかる費用を確認しよう

一言にシングルマザー、シングルファーザーと言っても「シングル」になられた経緯は人によって様々な事情があると思います。死別や離婚、また一度の婚姻も伴わないシングルマザー、シングルファーザーといった方もいらっしゃるかと思います。

「シングル」になった経緯や事情によってはご自身の収入以外の収入源があるケースも考えられますが、ここでは一般的に今後掛かるであろう出費の項目を見ていきたいと思います。

生活費

生活費についてはご家庭ごと、もしくはご家族構成によってばらつきがあると思いますが、ここでポイントとなるのが、いつシングルマザー・シングルファーザーに万一があっても、今と変わらぬ生活をお子様が送れるようにしなければならないという点です。

また、もう一つ大事なポイントは、シングルマザー・シングルファーザーに万一があった場合、誰にお子様の養育を任せるのかという点です。一般的に多くみられるのが、ご両親やご兄弟に養育を任せるケースです。お子様の養育を任せる方が十分養育できるような生活費の準備が必要と言えるでしょう。

教育費

生活費と同様にいつシングルマザー・シングルファーザーに万一があっても、お子様が希望される教育を受けられるようにしなければなりません。生活費と同じく、お子様の養育を任せる方に経済的な負担が掛からないような教育費の準備が必要です。

お子様の教育費の金額は、どういった進路をたどられるかによって様々ですが、幼稚園3歳から高校を卒業するまでに全て公立の学校で約541万円、全て私立の学校で約1830万円と言われています。

参照:文部科学省 「平成30年度子供の学習費調査」
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf

どんな保険で対応できるか

再三申し上げている通り、最大のテーマはシングルマザー・シングルファーザーに万一があっても、お子様の生活費や教育費が養育を託す方に負担が掛からないような準備が必要ということです。教育費と生活費の準備の方法として、学資保険と収入保障保険についてそれぞれ見ていきたいと思います。

学資保険

学資保険を検討する場合、貯蓄の機能と保障の内容を押さえておく必要があります。

貯蓄の機能

以前に比べると積立てた総額に対し返戻金の返戻率が高いとは言えませんが、自動的に保険料を口座から引き去ることで自然と積立ができ、計画的に教育資金を積み立てることができます。最近では他の保険種類を代用し少しでも高い返戻率を目指すケースも増加傾向にあります。

保障の内容

貯蓄機能のほうについ目を奪われがちですが、実は保障としての意味合いが重要なポイントです。

契約者に万一があった場合、その時点で以後の保険料の払込は免除され、加入当初予定していた学資金の受取時期に学資金を予定通り受取れます。

なお、お子様に掛かる教育資金の全てを学資保険で準備するというのは、捻出する保険料次第ではなかなか難しいと思いますが、掛かる費用の一部資金として加入を検討するのは賢明な手立てかと思います。

収入保障保険

シングルマザー・シングルファーザーに万一があった場合、必要な金額を必要な期間、毎月指定した受取人に届く仕組みの保険が収入保障保険です。

こちらは基本的に掛け捨てタイプの定期保険ですので、かなり合理的な保険料で加入することができます。

また、死亡以外での保障(例えば三大疾病、就労不能など)を付帯可能な保険もあり、シングルマザー・シングルファーザーご自身に万一があった場合にお子様の養育を託す方の経済的な負担をカバーすることができます。

死亡保険

上記の収入保障保険も死亡保険(定期保険)の一種ですので、当然シングルマザー・シングルファーザーご自身に万一があった場合にお子様の教育費や生活費をカバーすることができますが、他の保険種類もありますので特徴を押さえ比較検討されることもお勧めします。

他の保険の種類としましては

定期保険

定めた金額を一定期間のみ保障する保険で、保険料は基本的に掛け捨てとなりますが手頃で大きな保障を安く準備できる保険種類です。

養老保険

定めた金額を一定期間のみ保障する保険で、定期保険と違い払い込んだ保険料総額に近い金額(※)が満期で受取れる保険種類です。掛け捨てではありませんので定期保険に比べ保険料の水準は高くなります。

(※)保険会社、保険商品によって返戻率は異なります。

終身保険

定めた金額の保障が一生涯続く保険種類です。準備が一生涯必要な出費に備えることができる保険種類で、掛け捨てではなく貯蓄性も兼ね備えた内容の保険です。一生涯保障して欲しい項目があれば終身保険で検討しましょう。

シングルマザーが支払う保険料の月平均額

目安となる保険料の金額ですが、結果から言いますと一概には言えません。

なぜならシングルマザー・シングルファーザーの年収やお子様の人数、月々の生活費、お子様の進まれる進路など様々な要因で準備すべき保障がご家庭によってまちまちだからです。

まずはご自分のご家庭の必要保障額を検討、検証し、その金額を踏まえ、より合理的な保険料で必要保障額をカバーできるよう、ファイナンシャルプランナーにご相談されてみることをお勧めします。

保険料をおさえる方法

学資保険と収入保障保険を見てきましたが、シングルマザー・シングルファーザーが万一の時に入ってくるお金についても押さえておく必要があります。

また、現在の支出の中で負担を軽減できるお金があれば当然見直しし、見直すことで軽減できたお金を準備ができていない項目に回すことができます。

公的な保障を検討

シングルマザー・シングルファーザーに万一があった場合、公的な遺族年金の受給が可能です。

お子様の年齢次第では受給できないケースもあり、また厚生年金か国民年金か、さらに厚生年金については平均報酬月額で受給額は変わってきます。

具体的な受給見込額については日本年金機構の所轄の年金事務所に問い合わせてみるとよいでしょう。これを踏まえた上で万一の時に不足する生活費などを収入保障保険などで準備しましょう。

払込期間を確認

現在加入中の医療保険やがん保険などの保険料支払期間は長くされていますか?

同じ保障内容の保険でも払込の期間を終身払等の長い期間にすることで毎月の支出を軽減することができます。これは、月の支出を抑える一つの手段です。

しかし、老後も保険料を支払わなければならなくなったり、支払期間が長期間継続することで、短い払込期間に設定した場合より、総支払保険料総額が高額になるケースもありますので、注意が必要です。

保険料が安い保険にする

上記でも触れましたが、同じ金額の保障を準備するにしても保険種類が違えば支払う保険料は大きく異なります。

お金が貯まる、貯まらないは別として、まずはご家庭ごとの必要な保障額をカバーする内容の保険で比較検討しましょう。その上でより合理的な保険料の商品を選択するようにしましょう。

必要最低限の保障内容にする

当たり前のことですが、必要以上に過大な保障や不必要な保障があればその分保険料は割高になりますし、逆に保障が必要保障額を下回ると万一の時に十分な保障が受けられないことになってしまいます。

ご家庭ごとの必要保障額を必要十分に満たす的確な内容で保険加入すれば効率的です。必要以上に多くの保険料は発生しませんし、万一の時にきっちり役に立ってくれると思います。

まとめ

以上、シングルマザー・シングルファーザーが加入すべき保険について解説して参りましたがご理解いただけましたでしょうか。

繰り返しになりますが最大のテーマは『万一のことがあってもお子様の養育を託す方に経済的な負担を掛けない、お子様に十分な教育を受けられるような準備をする』です。

それぞれのご家庭で収入や生活に掛かる費用、子供さんの進路など一概に言えない部分も多く、実際今後のライフプランやキャッシュフローを算定してみられることをお勧めします。

そのためには公的遺族年金などの社会保障制度にも精通し、ライフプランニングを得意とするファイナンシャルプランナーに相談されることをお勧めします。不安や問題解消の一助になると思います。

執筆者

坂本 雄一(ファイナンシャルプランナー)

1993年大学卒業後、熊本の地方銀行に入行。融資業務、預金業務、資産運用業務を経験。より顧客の人生設計(ライフプラン)やマネープランに銀行員として的確にアドバイスがしたく16年3か月の行員生活に終止符を打ち、外資系金融機関へ転職。その後は、よりファイナンシャルプランナーとしての活動の幅を広げるべく独立し現在に至る。熊本県下最大の住宅展示場で資金相談会も定期的に開催中。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士住宅ローンアドバイザー
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