FPが解説! 団体信用生命保険とは?

生活

いつかは、マイホームが欲しい。そのマイホーム購入に際し住宅ローンを組んでいる方が大半ではないでしょうか。そして定年までのほとんどの期間そのローンを払っていくわけです。(私も今払っています。涙)

そのローンを安心して組む為の保険があるのをご存知でしょうか。その名もダンシン。住宅メーカーの方や銀行員の方などが言うダンシン。これは決して踊っているわけではありません。漢字にすると団信。正式名称は、団体信用生命保険というものです。

銀行でローンを組む時に条件になる団信。今回は、この団信をみていきましょう。

団体信用生命保険とは

どんな保険?

例えばご主人、奥様(専業主婦)、お子様がいらっしゃるご家庭でご主人がローンを組んでいるとします。

そのご主人が亡くなられた時に銀行員が来て「奥様。こんな時に失礼ですが残りのローンを払って頂けますか。」と聞かれたらどうしますか。

その銀行員の顔がきっと鬼の様に見えるでしょう。
勿論銀行員もそんな仕事をしたくないんですね。

そんな時に団信。

この団信は、借りられている方が亡くなった時に残っている住宅ローンをチャラにしてくれる、ピッタリ円単位で相殺してくれる保険なんです。

この保険があるからあの大きな金額のローンをある意味安心して組めるんですね。

このご家庭では、団信のお陰で奥様やお子様にローン負担を残すことなく住宅を残せることになります。

種類や保障はどんなもの?

団信ですが実は、組むローンや銀行によって個性があります。

皆様が銀行の選択をする際にローンの金利だけでなくこの団信の違いも考えた上で銀行を選ぶことをお勧めします。

保障内容として一般的なものは、死亡・高度障害状態(両目が見えないなど)です。

次にがん付・三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)・八大疾病(三大⁺糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性膵炎・慢性腎臓病)・身体障害状態(身体障害福祉法の1~2級の身体障碍手帳の交付)などがあります。

更に掘り下げると急性心筋梗塞や脳卒中で所定の状態(就労不能や言語障害など)が60日以上継続することが条件のものもあれば、もしくはその条件に加えて所定の手術を受けた場合でもよいものもあります。

ただ共通して言えるのは保障内容を良くすると金利を上乗せされますのでその見極めは大切かと思います。

ただ銀行によって借りられる方の年齢が50歳に近くなってくると、このがん付など保障内容のよいものを引き受けてくれないこともありますので要注意です。

がん付ですと悪性新生物と診断確定すればローンがチャラになるわけです。

その後早期発見で治り、働けるようになっても銀行から働けて給料あるんだったら返済してやということはありませんのでご安心下さい。

団体信用生命保険の注意すべき点

健康状態

この団信ですがやはり保険ですので加入時に告知といって健康状態を保険会社に伝えなければなりません。

ただ通常の生命保険の加入より告知項目も少なく比較的加入しやすくなっています。

健康に不安があっても最近は団信でも引受緩和型と言って持病がある方も加入しやすいものもあります。

ただ金利が少し上がることが一般的です。

またフラット35というローンでは、団信加入が任意になりますので団信に加入出来ない時の選択肢になるかと思います。

ただ万が一の際にローン残債を残すことを分かっておかなければなりません。

保険の範囲外のリスク

『団信での保障以外の病気やけがで働けない場合に収入が下がったりなどしてローンが払えなくなる。』これが最大のリスクです。

最近では、生命保険会社で就業不能の保険が販売されています。

ローンを組むと一般的に35年という長期間の支払になります。不安がある方は、是非ご検討ください。

賢い選び方

ローンよって団信が条件のものもあれば、フラット35のように任意のものもあります。

フラット35の場合この団信を外すと一般的に金利が-0.2%下がります。

ローン金額を団信の有無で差額を計算し、生命保険会社で住宅ローンの返済に合わせた金額の保険を組み総保険料が-0.2%のローン差額より負担が少ない場合には生命保険で団信の役割を果たしてもらうとお得になるということです。

特におタバコを吸われない方で血圧の数字の良い方かつBMI(身長と体重のバランス)の良い方は、検討の余地ありです。

生命保険との重複

団信は、住宅ローン金額の生命保険です。

ご自宅を購入前の保険では、一般的に万が一の際その保険金額に遺族の住居費用や教育費、生活費などが含まれているかと思います。

その為ご自宅を購入した場合その住居費用分の保険金額を下げることが出来る、つまり支出を下げることが出来ることになります。

ご自宅を購入すると家賃よりローン支出が増えることも多くなりますので生命保険を見直すことをお勧めします。

まとめ

例えば今現金を4000万円お持ちの方が4000万円の自宅を購入するとします。
その際に、4000万円現金で自宅を購入します。

そうしますと今後ローン負担もありません。
が翌年にがんになりました。
すると貯金が0で闘病生活です。

仮に4000万円のがん付ローンを組んでいればどうでしょう。
手元に現金4000万円を残しローンが無くなることになります。

特にこれから住宅ローンを組む方は、2021年12月末までのご入居の場合住宅ローン控除と言って10年間住宅ローンの年末の残高の1%の税金還付(払った税金が還ってくる。払っていないものは勿論還ってきません)があります。

うまく利用しますとこの10年間は、銀行に払う利息より税金の還付が多くなることがあります。

敢えて頭金を入れずローン金額を増やすことで税金を取り返し、万が一の際にはこの団信でローンを無くし貯金を置いておく方法もありますのでご自宅購入の際にはご参考にして頂ければと思います。

執筆者

吉本 忠男(ファイナンシャルプランナー)

京都生まれ、京都在住。1994年大学卒業後、銀行に入行。個人顧客への住宅ローン相談、法人顧客への融資業務など幅広い銀行業務に携わる。ある出会いがきっかけで、外資系生命保険会社へ転職。「一度しかない人生を少しでも安心して豊かに過ごして頂きたい」をモットーに、出会った方には全力かつきめ細かく家計相談やライフプランニング、個人保険販売を行う。12年の勤務の後、お客様への幅広い提案を求め現在に至る。プライベートでは4人の男の子の父親であり、教育・住宅・老後・家計簿診断など生活に密着した相談を得意としている。ほけんペディアにおいても、金融、住宅、子育てなど、自身の経験が生かされた記事が多い。また、マネーに関するセミナー講師をつとめるなど幅広く活躍中。
■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント
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