医療保険を選ぶなら、貯蓄型? 掛け捨て型?

医療保険

誰しもが保険のお世話になることなく、日々健康に過ごしたいと願うものと思います。とは言え、いつか病気やケガで入院することがあるかもしれない!と医療保険に加入したものの、毎月の保険料がもったいなく感じる・・・そういった方も多いのではないでしょうか。実は医療保険にも、掛け捨て型と貯蓄型があります。それぞれがどんな内容なのかを理解し、どちらが自分にあった保険なのかを判断できるようになりましょう。

貯蓄型医療保険とは

貯蓄型の医療保険には、大きく分けて3つのタイプがあります。

解約した場合に返戻金があるタイプ

これは、解約をすると保険料が一定割合で返ってくるもので、メリットは、払込途中で死亡した場合に、多くの場合、解約返戻金相当額が死亡保険金として支払われ遺族が受け取ることが出来ます。

また、万一途中で保険料の払い込みが困難になった場合には、このタイプの商品の多くは解約返戻金から立て替えられて支払われるため、すぐに失効(保障の効力が失われること)してしまうことを防ぐことが出来ます。

デメリットは、返戻金を使いたい場合には保険を「解約」をしなければいけない点です。返戻金を受け取る代わりに、医療保険が無くなってしまいます。

加入から一定期間経過後に払い込んだ保険料が返ってくるタイプ

保険会社によって異なりますが、60歳・65歳・70歳など、契約時に設定した年齢を迎えると、それまでに支払った保険料が全額返ってきます。

メリットは、保険料が返ってきた後も月々の保険料や保障内容など、加入時のまま保険を継続できることです。

デメリットとしては、入院や手術などで受け取った給付金は差し引かれることや、特約の保険料は還付金の対象外となる点です。

健康祝い金があるタイプ

5年や10年といった一定期間内に、連続10日以上の入院が無いことなどの所定の条件を満たすと、健康祝い金が支払われるものです。

通常の医療保険の保険料との差額以上に受け取れる健康祝い金の方が大きくなるため、保険のお世話になることが無ければ、結果的に払込保険料総額を減らすことが出来る点がメリットとして挙げられます。

デメリットは、健康祝い金を受け取る前に解約した場合には解約返戻金が全く無いか、あってもわずかである点です。

掛け捨て型と貯蓄型の違い

保険料

掛け捨て型の医療保険には解約払戻金が全くないか、あってもごくわずかです。

そのため、保険料は貯蓄型のものと比べると割安になっています。

それに対して貯蓄型の医療保険は、上記に挙げたタイプによっても異なりますが、同じ保険会社の掛け捨て型と比較した場合、4割~7割ほど高く設定されています。

保障内容

一般的に新商品は掛け捨て型のものからリリースされることが多いので、同じ保険会社の医療保険でも付加できる特約に違いがあるなど、保障内容が異なる場合があります。

また、そもそも貯蓄型の医療保険を取り扱っていない保険会社も多いので、商品数は掛け捨て型の方が圧倒的に多くなっています。

なるべく新しく、たくさんの商品から自分にあった保険を見つけたい場合には、掛け捨て型の方が選択肢も多くなるでしょう。

貯蓄型医療保険が向いている人は?

健康に自信はあるが、そうは言っても全く医療保険に加入しないのは不安という方や、手元にお金があるとついつい無駄遣いをしてしまい、自分自身で貯蓄することが難しい方に向いています。

毎月の保険料で知らず知らずのうちに積み立てが出来ているため、普段は自分が貯蓄型の医療保険に加入していることを忘れてしまっている方も多いのですが、自分のお金でありながらも、いざ受け取る時にはとても嬉しく感じることでしょう。

例えば、ご夫婦で同じ健康祝い金タイプの医療保険に加入し、健康祝い金を受け取る度に一緒に旅行やディナーに行って、お互いに健康に過ごせたことを労う・・・なんていう使い方も面白いかもしれませんね。

まとめ

そもそも医療保険は、社会保障である健康保険や国民健康保険の不足分を補うために加入するものです。

そしてその保障内容は日進月歩する医療技術や、社会保障そのものの制度変更などにより、時代に合わせて変化してきています。

貯蓄型・掛け捨て型のどちらに加入するのかは個人の嗜好にもよりますが、そういった将来の医療技術や社会保障制度も見据えて考える必要があることも覚えておきましょう。

途中で解約するなど将来保険を見直す可能性がある場合、また掛け捨て型医療保険との差額をご自身で貯蓄や運用をしたいとお考えの方には、貯蓄型医療保険は不向きと言えるかもしれません。

他にも、家族構成やライフプラン、お勤め先の福利厚生、その他預貯金・株式・投資信託などの資産状況によっても加入すべき内容が変わってくることが多いですから、保険の内容だけを追い求めることなく、出来る限り広い視野を持って無理無駄のない保険プランに加入するようにしましょう。

執筆者

鷹尾 和哉(ファイナンシャルプランナー)

2000年大学卒業後、大手システム開発会社に入社しインターネットバンキングなどの開発に従事。自身のライフプランを立てたことがきっかけでFPの資格を取得、その後外資系保険会社に転職し、約300世帯のライフプランを任される。よりお客様に寄り添った提案がしたいと2012年に現職へ。家計や保険の見直し、相続、資産運用などの個人相談業務を数多く行っており、個別の資金計画がとてもわかりやすいと好評を得ている。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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