医療保険と介護保険の違いとは? 公的保障と民間の保険の違いも紹介

医療保険

日本人の多くの方が加入している医療保険。

また今後、より長生きとなる日本人にとってニーズが高まる介護保険。

とても身近なこの2つの保険について、それぞれの特徴や違いを解説したいと思います。

医療保険の特徴とは?

「医療保険」とは、病気やケガをしたときにかかる治療費をカバーするためのものです。

まず初めに、全国民が加入している公的な医療保険について見てみましょう。

公的医療保険(健康保険)の保障と保険料

日本では「国民皆保険」といって、全国民が、国民健康保険や協会けんぽ等の公的医療保険に加入することが必須となっていますので、病気の人を含めすべての人が加入することができます。

その保障は、かかった医療費の一部のみ自己負担するしくみで、病院や処方箋窓口で自動的に割り引かれます。

自己負担割合は、年齢によって変わり、一般的に現役世代であれば3割となっています。

6歳未満(義務教育修学前)は2割ですが、居住している市区町村によっては小学校卒業まで、または中学校卒業までは大部分を負担してくれる自治体もあります。

加えて、高額療養費制度により、家族の自己負担する医療費には制限が設けられています(所得によって限度額が異なります)。

またその保険料は、それぞれの所得によって決まります。

公的医療保険である健康保険では、保険金が受け取れるのではなく、医療費を支払う際に割引がある、ということが特徴です。

一方で、民間の医療保険はどうでしょうか。公的医療保険とは大きく違います。

民間の医療保険の保障と保険料

契約内容に該当すれば保険金を受け取ることができます。

例えば、入院給付金(1日につき5千円など)、手術給付金(1回につき10万円など)などです。

他にも商品によって様々な特約(オプション)が設けられており、個々に必要なものを選択することになります。

最近では、通院給付金、がん診断給付金、先進医療給付金、就業不能給付金など、保険会社ごとにバリエーションが豊富です。

保険料は、加入者の年齢・性別、また選択した保障内容によって個々に違います。

また、加入前に健康状態の診査があり、希望する全ての人が加入できるわけではありません。

具体的には病気やケガによる入院・手術の有無や、健康診断による指摘項目の内容、持病や障害の有無などを告知するのですが、診査の結果によっては加入出来なかったり、加入は出来るものの、特別条件が付けられるケースもあります。

民間の医療保険は、公的医療保険のような医療費の割引ではなく、給付金の給付であることが特徴です。

医療費が実際いくらかかったのか、自己負担がいくらだったのかによらず、契約で選択した保障内容に該当すれば、約束された金額を受け取ることができます。
(最近では、かかった医療費がそのまま保障される、実損てん補型の医療保険も登場しています。)

介護保険の特徴とは?

「介護保険」は、高齢化や核家族化の進行などによる家族の負担を軽減するためのものです。

まずは公的な介護保険について見てみましょう。

公的介護保険の保障と保険料

公的介護保険の加入対象は、①65歳以上の第1号被保険者と、②40歳以上65歳未満の第2号被保険者に分かれます。

実際に介護給付を受ける対象となるのは原則①の人で、要介護(要支援)と認定された場合に限られます。

②の人は、要介護(要支援)の原因が老化に起因する16種類の特定疾病(初老期認知症、脳血管疾患など)である場合にのみ対象となります。

例えば交通事故などによる場合は対象となりません。

また40歳未満の人は、公的介護保険の被保険者(加入者)にはなりません。

実際に介護サービスを利用する際は、市区町村の窓口に申請後、認定調査員による調査を受けることになります。

それによりどの程度の介護が必要か判定(要支援1・2、要介護1~5の7段階)されます。

判定された要介護度によって、支給限度額(サービスが受けられる上限)も決まり、この支給限度額の範囲内であれば、自己負担は原則1割(一定以上の所得がある人は2割)となります。

つまり、サービスの利用には上限があること、また原則1割の自己負担があることから、経済的負担がゼロになる訳ではなりません。

また、保険料はそれぞれの所得によって決まります。40歳になると介護保険料の徴収が始まり、生涯に渡り支払うことになります。

介護保険サービスを利用するようになっても介護保険料の支払いは続きます。

公的介護保険も、公的医療保険と同様、保険金が受け取れる訳ではないことが特徴です。

また介護状態がどれくらいの期間続くのか、状態の改善・悪化によっても経済的な負担には大きな差があります。

民間の介護保険の保障と保険料

多くの保険会社の介護保険は、主に一時金と年金の2つの保障で構成されています。

どちらか1つだけの商品もあれば、両方ある商品もあります。

上記でご説明した要介護度のうち要介護2以上で給付される商品が現在の主流のようですが、商品によって異なりますので検討する際には確認が必要です。

一時金の場合は、設定した保険金額によって100万円~500万円を一度受け取れば保険契約は終了です。

一方、年金の場合は、設定した保険金額を毎年受け取ることができます。

受取期間を設定できる商品も多く、5年、10年などの定期型や、一生受け取ることができる終身型から選択します。

年金型の場合、一度該当すれば生きている限り受け取れる商品と、介護状態が続く限り受け取れる商品がありますので、検討の際にはその点も確認が必要です。

保険料は、医療保険と同様、加入者の年齢・性別・保障内容によって個々に違いますし、健康状態によっては加入できないこともあります。

このように、公的介護保険は40歳未満は対象外であり、かつ40歳以上でも64歳までは原因が特定疾病などに限定されていることから、若いうちから万が一の介護費用について準備しておきたい方は民間の介護保険が選択肢となるでしょう。

民間の医療保険と介護保険の違いとは?

これまで見てきたとおり、民間の医療保険と介護保険は、どちらも契約内容に該当すれば給付金を受け取ることができるのが共通点です。

ではその違いは何でしょうか。また、どちらを優先させるべきなのでしょうか。

医療保険は病気やケガで「入院」や「手術」をした時に保障され、介護保険は所定の「介護状態」になった時に保障されます。

極端に言えば、体調を崩したけれども入院や手術はせず、ただしその後介護状態になった場合、医療保険だけ加入している人は何も受け取れません。

また逆に、入院や手術をしたものの、その後所定の介護状態にはならなかった場合、介護保険だけ加入している人は何も受け取れません。

では必ず両方に加入しておくべきものなのでしょうか。必ずしもそうとは言えないでしょう。

基本的な考え方として、まずご自分の家族構成や雇用条件、家計などの経済状況、また健康状態などを整理しましょう。

その上で、前述したような公的な保障(公的医療保険、公的介護保険)を知ることで、どのようなケースでどれくいらの資金が不足する可能性があるのかを把握することができます。

具体的に言えば、公的保障だけでは不足する必要額を貯蓄で賄うのか、有給休暇や共働きのパートナーの収入でカバーできるのか、ということを見極めましょう。

それでも不足する部分があるなら、それを補うために民間の保険という選択肢がある訳です。

まとめ

家計収支や貯蓄割合、またライフプランを整理することが第一歩です。

もしその一歩がなかなか踏み出せないという方や、どのようにすればよいか分からないという方は、ぜひ一度ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。

公的保険についても、今回ご紹介したのはほんの一部です。

より深く公的な保障について知り、ご自分の生活や環境を客観的に見つめ直すよい機会になると思います。

執筆者

宮脇 英寿(ファイナンシャルプランナー)

中学高校の数学教師を経てファイナンシャルプランナーの道へ。「100歳まで元気に生きるためのライフプランニング」が独身者、家族世帯を問わず好評である。年間100世帯以上の個別相談に対応しながら、確定拠出年金や住宅ローン、ねんきん定期便の見かた等各種セミナー講師も担当。プライベートでは小・中・高校生の3人の子どもの子育て中である。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格住宅ローンアドバイザー
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