がん保険は「掛け捨て」と「積み立て」どっちがおすすめ? メリット・デメリットを徹底比較

がん保険

日本人の2人に1人ががん(悪性新生物)で死亡(※1)していると聞くと、不安に感じ何らかの対策をしなければと感じる人は多いと思います。

がんに対する備えといえば、がん保険が真っ先に考えられるでしょう。

がん保険、と言っても大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか?
また、商品の種類が多岐に渡るため、一つに決めることが難しいのもご存知でしょうか?

今回は、2種類のがん保険「掛け捨て型」と「積み立て型」について、それぞれの特徴や、メリット・デメリットを解説します。
そして、それぞれのタイプが向いている人、についても詳しく解説していきます。

この記事を読めば、自分にあったがん保険のタイプが「掛け捨て型」なのか「積み立て型」なのか、はっきりと分かるでしょう!

※1.国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」罹患データ(全国推計値2014年データに基づく)

がん保険とは

日本では様々な種類の生命保険、医療保険が発売されていますが商品名に病気の名前が付いているのは主にこのがん保険になります。がん保険は医療保険の一種になりますが、その内容はがんの保障に特化したものとなっています。

一般の医療保険がほぼすべての疾病やけがを対象としているのに対して、このがん保険の場合はその名の通り、がんだけを対象としていることがほとんどになります。特定の病気に特化している分、保険料は安いことががん保険の特徴になります。
がん保険には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 掛け捨て型
  • 積み立て型

それでは、それぞれのがん保険にはどのような特徴があり、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

掛け捨て型のがん保険とは?

掛け捨て型のがん保険の特徴

掛け捨て型のがん保険とは、途中でがん保険を解約する場合の解約返戻金や満期保険金などがないタイプの保険になります。支払った保険料が返ってこないことから掛け捨てといいます。
掛け捨て型のがん保険は、さらに2種類に分けることが可能になります。

  • 定期掛け捨て型がん保険
  • 終身掛け捨て型がん保険

それぞれの掛け捨て型がん保険についてさらに見ていきましょう。

定期掛け捨て型がん保険

定期掛け捨て型は、ある決まった一定期間だけ保険料を払い、その間だけ保障を受けることができるというものです。その期間後も、保障を受け続けたければ、その都度(5年ごとが多い)更新していくことになります。

大きな特徴としては、年齢が上がっていくにつれて、保険料も上がっていくことです。若いうちは比較的安い保険料で保障を受けることができますが、徐々に高くなっていき、最終的には月に1万円以上の保険料を支払うことになります。年金生活に入った後は、大きな負担になる可能性があります。

しかしながら、定期型には非常に保障が厚いものもあり、入っておけば安心感につながる、という側面もあります。

終身掛け捨て型がん保険

終身掛け捨て型は、支払う保険料が、年齢の増加に伴って、変化しない、というものです。そして、終身掛け捨て型には、保険料の払い込み期間と呼ばれる期間があります。これは、いつまで保険料を支払うか、という期間で、自由に決めることができます。

一般的には、保障と同じ期間(終身)払い続ける場合と、退職時までとすることが多いです。そして退職時までとする場合は、その後の保険料を払わなくても、一生涯保障を受けることが出来ます。こちらは、家計のシミュレーションがしやすいため、人気のあるタイプとなっています。

掛け捨て型のがん保険のメリット・デメリット

メリット

掛け捨て型のメリットは、大きく分けると3つになります。

  1. 毎月の保険料の負担が軽い
  2. 保険の見直しがしやすい
  3. 商品のバリエーションが豊富
①毎月の保険料の負担が軽い

掛け捨て型は、積み立て型よりも保険料が安いということになります。加入時に、教育費や住宅ローンで家計が苦しい時期にも、入りやすい保険と言えるでしょう。万が一、がんになってしまったときに安い保険料で大きな保障が受けることができます。

②保険の見直しがしやすい

定期掛け捨て型の場合、保障期間が一定期間で決まっているため、保障期間が終了するタイミングで、保険を見直しやすいということが言えます。子供が大きくなり、家計にも余裕が出てきたので、違うタイプの保険に変える、と言った見直しが可能になります。

③商品のバリエーションが豊富

日本で販売されている商品の大部分がこの掛け捨て型になりますので、沢山の商品のなかから自分にあったものを選ぶことができます。例えば、がん保険の一時金に特化しているがん保険や、先進医療だけでなく自由診療も保障してくれる手厚いものも、最近は登場してきています。年齢が上がるにつれて、必要な保障や、家計の事情も変わりますから、多様なニーズに応えてくれる掛け捨て型は非常に魅力的ということができるでしょう。

デメリット

掛け捨て型のデメリットは大きく分けると2つになります。

  1. がんに罹患しなかったら何も受け取れない
  2. (定期掛け捨て型の場合)保障期間は一定である
①がんに罹患しなかったら何も受け取れない

がんに罹患しなかった場合には保障がなく、給付金等もない、ということです。また解約時や保険の終了時にも返戻金等はありません。これは、保険料が積み立て型と比べると安い、ということの裏返しともいえます。「これまで保険料を払ってきたのに、何も戻ってこないのは寂しい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

②(定期掛け捨て型の場合)保障期間は一定である

定期掛け捨て型の場合、保障期間が5年あるいは10年などと決まっています。保障期間が終わると、更新するか、他の保険に乗り換えるかを選択する必要があります。更新時に保険料は上がっていきますし、その都度保険について再度検討する必要があるため、煩わしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

掛け捨て型へのよくある誤解

上記にある通り、日本のがん保険のほとんどが、掛け捨て型になります。掛け捨てという言葉を聞くと、なんだかお金をとても無駄にしているような印象を受けますが、その考え方は間違っています。

万が一、がんに罹患してしまったときには、様々なコストが掛かりますので、それに対処するための保障を受けているという風に考えたほうが良いでしょう。いざという時のための備えをしている、と捉えましょう。

積み立て型のがん保険とは?

積み立て型のがん保険の特徴

積み立て型のがん保険とは、途中でがん保険を解約する場合の解約返戻金があるタイプの保険になります。がんの保障と貯蓄機能が合わさったタイプの保険ともいうことが出来るでしょう。

月々の保険料のうち、積み立てに当てる部分が大きいため、契約時に決まる、解約返戻金を得ることが出来ます。

積み立て型は、掛け捨て型とは違って、ほとんどの商品は保険期間が一生涯となる、終身のタイプとなります。

積み立て型のがん保険のメリット・デメリット

メリット

積み立て型のメリットは大きく分けると3つになります。

  1. がんに罹患しなくても保険料はもったいないと感じにくい
  2. 一つの契約で保障と貯蓄を兼ねることが出来る
  3. 緊急時に契約者貸付や自動振替貸付を利用できる商品もある
①がんに罹患しなくても保険料はもったいないと感じにくい

保障と貯蓄が合わさっていますので、仮にがんに罹患しなかったとしても、積立金や解約返戻金が溜まっていることになりますので、全ての保険料が手元に残らないということはありません。将来的には払い込んだ保険料が戻ってくるので、掛け捨て型とは違って、貯蓄感覚があると言えます。

②一つの契約で保障と貯蓄を兼ねることが出来る

がんへの備え以外に、資産形成として捉えることも可能です。一つの契約で、がん保障と資産形成が同時にできるのは、魅力的と言えるでしょう。

③緊急時に契約者貸付や自動振替貸付を利用できる商品もある

積み立て型の終身タイプのがん保険ですと、契約者貸付や自動振替貸付を受けることが出来るのもメリットの一つです。

契約者貸付(※1)とは、解約返戻金の一定の範囲で、保険会社から貸付を受けることが出来る制度です。急に資金が必要になった場合に解約や減額をしなくても契約者貸付を受けることができます。

また、自動振替貸付(※2)とは、何らかの理由で保険料が払い込めない場合、解約返戻金の範囲で自動的に保険料を立て替えてくれる制度です。がんの保障はそのままで一時的な保険料の負担を減らすこともできます。

■(※1)契約者貸付制度・・・解約返戻金のある保険において解約返戻金の一定の範囲内で、貸付をする制度を言います。貸付を受ける際には、所定の利息が付きますが、一般的に予定利率に対して+1%程度となります。加入している保険の予定利率が高い場合には、貸付利率も高くなりますので留意が必要です。
■(※2)自動振替貸付制度・・・解約返戻金のある保険において、払込猶予期間が過ぎても保険料の支払いがない場合に、保険会社が自動的に保険料を立て替えて保険料に充当し保険契約を継続させる制度を言います。自動振替貸付を利用する際には、所定の利息が付きます。立て替えられた保険料は、全額もしくは一部を返済する際、利息も含めて返済する必要があります。

デメリット

積み立て型のデメリットは大きく分けて3つあります

  1. 毎月の保険料の負担が大きい
  2. 中途解約してしまうと『損』してしまう
  3. 商品数が少ない
①毎月の保険料の負担が大きい

これが、積み立て型の一番のデメリットとして挙げられます。
積み立て型の保険料は、解約返戻金(貯蓄)にまわる部分があるため、掛け捨て型と比べて毎月の保険料が高くなります。
これは、貯蓄を兼ねている、ということの裏返しともいうことが出来ますが、毎月の負担は重くなるため、家計を圧迫することになります。

また、保険料は最後まで毎月一定額支払う必要があります。言い換えると、解約して返戻金を受け取ってしまったら、保障はされなくなってしまう、ということです。

②中途解約してしまうと『損』してしまう

短期間で解約してしまうと、解約返戻金が払い込んだ保険料を下回ります。解約返戻金は、年を追うごとに少しずつ増えていくものだからです。貯蓄も兼ねて高い保険料を払い込んでいたのに、短期間での解約により解約返戻金が全くなかったり、あってもごくわずかとなってしまうのは、できれば避けたいですよね。

そういった理由で、一度契約してしまうと、なかなか保険の見直しがしにくい、ということが言えます。

③商品数が少ない

積み立て型の保険は掛け捨て型の保険に比べ、商品数が少ないために選択肢が狭まります。必ずしも自分のニーズに合致したがん保険を見つけることが出来ないかもしれません。

積み立て型へのよくある誤解

積み立て型の特徴として、保障と貯蓄が合わさっています。「貯蓄」を目的としてがん保険へ加入したとしても、解約返戻金を受け取れるのは解約した時です。解約すれば当然にそれ以降の保障は受けられなくなります。もしがんに罹患したとしたら保障は続けられることでしょうから、後に解約返戻金を受け取れないことは往々にしてあります。

最終的に両方を取ることはむつかしいでしょう。また、仮にがんに罹患しなかった場合でも、その商品性から、高い返戻率は一般的に期待できません。払い込んだ保険料以上の金額を、返戻金として受け取ることが出来る、というケースはほとんどあり得ない、ということを覚えておきましょう。

がん保険の掛け捨て型と積み立て型はどっちがいいの?

上記の説明からも分かるように、掛け捨て型のメリット・デメリットは積み立て型のデメリット・メリットと表裏の関係にあると言えます。ですので、どちらの方が良いとは一概には言えません。実際、ファイナンシャルプランナーや保険代理店などの専門家の間でも、議論になっています。単純に「損得」で判断するものではなく、「何を重視するか」によってとるべき選択は変わってきます。

ご自身の家計の状況や、家族構成などを総合的に考慮して、最終的に判断をすることが必要になります。
以下では、それぞれのタイプが向いている方の特徴をまとめました。

掛け捨て型が向いている方

掛け捨て型がん保険の最大の特長は保険料が安いということになります。がんに対しての準備は考えたいけど、子供の進学や住宅の購入などのライフイベントが重なり、保険料をできるだけ少なくしたいという方には向いていると思います。

また、保険商品の選択肢も掛け捨て型のほうが多いので、たくさんの商品の中から自分の必要な保障や条件に近い商品を選ぶことが可能になります。ですので、多くの商品からニーズに合った商品を選びたいという方にも、掛け捨て型が向いていると考えます。また、ある一定期間の保障を必要としている方にも適しています。

積み立て型が向いている方

積み立て型のがん保険の特長は、保障と貯蓄が合わさっていることです。そのため、保険料が少し高くなっても保障と貯蓄どちらもしたいという方や、がんの保障は必要だと思うが保険料が掛け捨てになるのが嫌だという方、もしがんに罹患したら保障されて、もしがんに罹患しなかったら貯まっている解約返戻金を別な目的に使いたいと考える方に向いていると考えます。

また、資産運用に関する知識が乏しい方は、がん保険とまとめてしまうことが出来るので、適していると言えるでしょう。

まとめ

がん保険には、大きく分けて「掛け捨て型」と「積み立て型」があり、それぞれの特徴について、理解できたのではないでしょうか。これまで説明してきたように、「掛け捨て型」と「積み立て型」にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、どちらが良いかを一概に述べることは出来ません。やはり、「損得」だけでは判断できない部分があります。

まずは、がん保険を選ぶ時に、ご自身にとってどのような保障が重要なのか、ということを考える必要があります。
その上で、ライフプランを通して、家計のバランスを考慮に入れた上で、総合的に判断することが大切です。
是非、お一人で悩まずに、“保険のプロ”であるファイナンシャルプランナーに相談してみてください。

執筆者

宮野 亮一ファイナンシャルプランナー

1995年大学卒業後、空調関係のメーカーに就職。このころ職業能力検定の一つとなったファイナンシャル・プランニング技能士、いわゆるファイナンシャルプランナーという仕事に興味を持ったことがきっかけで、2001年に損保系生命保険会社へ転職。主な業務は、家計相談やライフプランニング、そして個人・法人保険の販売。12年の経験を積み、より幅の広いコンサルティングアドバイスするために現職へ。個人の家計相談はもちろん、ライフプランセミナー、相続・事業承継等のコンサルティングを行う。ほけんペディアでも、幅広い分野の記事を執筆中。
■保持資格:AFP資格2019年度MDRT成績資格会員(Court of the Table会員)相続診断士
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