がん保険の「通院保障」は必要か?

がん保険

がん保険には様々な保障がありますが、今回は、その中の「通院保障」の必要性について考えてみましょう。

一生涯でがんに罹患(りかん)する確率は、男性は61.6%、女性は46.2%(年齢階級別罹患リスク 2013年患者データに基づく)という数字になっております。

これは今、世間で言われている日本人のうち2人に1人ががんにかかる時代という事を裏付けるデータになっていると言えます。

ただし、がんの罹患率は若い世代である30代、40代では低く、年齢を重ねるにつれ、高くなっています。

出典:公益財団法人がん研究振興財団 「がんの統計‘17」

がん保険の保障内容と給付金の種類

がん保険の保障内容と給付金の種類から説明いたします。

診断給付金

がん保険のがん診断給付金とは、「初めてがん(悪性新生物)と医師に診断確定されたとき」にまとまった額の給付金を受け取れる保障になります。

診断給付金は一般的に診断確定されただけで受け取れる(入院や治療を前提としていない)ので、何に使うかは受取人の自由になりますから、がんの治療費や差額ベッド代等に使っても良いですし、収入減少によって不足する生活費に使っても問題ありません。

がん保険によっては、がん診断給付金を複数回受け取れるタイプや上皮内がん(上皮内新生物)も保障対象に含めているタイプもあります。

入院給付金

がん保険のがん入院給付金とは、がんの治療を目的とする所定の入院をした場合に受け取れる給付金になります。

良性の場合や、治療を目的としていない検査入院等は対象外になるケースもあります。

通院給付金

がん保険のがん通院給付金とは、がんの治療を目的とする所定の通院をした場合に受け取れる給付金になります。

あらかじめ設定された通院1日当たりの給付金額(1万円など)が通院日数分受け取れます。期間に制限がある場合もあります。

抗がん剤給付金

所定の抗がん剤治療を行う際に受け取れる給付金になります。給付される細かい条件は保険商品ごとに異なりますが、抗がん剤治療を受けた月ごとに入院か通院かを問わず給付金が受け取れる商品が一般的になります。

抗がん剤治療給付金という独立した保障ではなく、がん治療給付金など、他の所定のがん治療と一緒になっている商品もあります。

放射線治療給付金

所定のがん放射線治療を行う際に受け取れる給付金になります。抗がん剤治療給付金と同様、給付される細かい条件は保険商品ごとに異なりますのでご確認ください。

入院をせずに通院のみの治療を受けても、保障を受けられる商品もあります。

がん保険の保障の種類

がんの治療技術は日々進歩しております。以前は入院して手術を受ける治療方法が主流でしたが、最近は通院による治療も増えてきています。

治療方法の多様化に伴って、がん保険の保障も様々な種類の商品が提供されております。ここでは主ながん保険の保障の種類を説明していきます。

入院・手術型

現在、日本では非常にたくさんのがん保険が販売されていますが、基本の主契約が入院・手術型になっているタイプが多いです。

がんという病気になり入院した時に入院給付金、また所定の手術した時に手術給付金が支払われるタイプになります。

病気やけがをした時に入院の短期化の傾向はありますが、がんという病気に関して言いますと様々な検査等をしますので入院は必須であり、長期間入院するケースもあります。

通院重視型

現在のがんの主な治療方法は手術療法、放射線療法、化学(薬物)療法の3つで、一般にこれらはがんの三大療法と呼ばれております。

かつて、がんの治療は病巣を取り除く手術療法が中心でしたが、近年では治療技術が進歩し、放射線療法や化学療法も一般的に行われるようになってきました。

手術療法は入院を伴いますが、放射線療法や化学療法は通院で行われるケースも多くなってきていますので、通院した時に通院給付金が支払われるタイプになります。

一時金重視型

がんにかかったときに受ける治療の種類は、そのときの部位や症状に応じて変わってきます。必ずしも三大治療のすべてを受けるわけではありません。

それであれば、がんと診断された(保険会社によりがんと診断の判断基準が異なりますのでホームページやコールセンター等でご確認ください。)場合に一時金の保障を受け取れるタイプになります。

自由診療対応型

自由診療とは、健康保険を利用しないで自費で受ける診療のことで、先進医療にも当てはまらないような最新のがん治療もこれに該当します。

このような先進医療や自由診療は、治療費が全額自己負担となるため、非常に高額になってしまう場合があります。

がんという病気になった時にこのような治療を受けたい場合に備えるのが自由診療対応型のがん保険になります。一定の条件はありますが健康保険の対象外のがん治療にも給付金が出るタイプになります。

現在のがん治療について

がんの治療にはさまざまな方法がありますが、現在主流になっているのが、メスなどを用いてがんを取り除く「手術療法」、がんに放射線を照射する「放射線療法」、薬物(化学)療法である、「抗がん剤・ホルモン療法」の3大治療が挙げられます。

最近のがん治療は、手術・放射線治療・抗がん剤治療の3大治療を組み合わせるものが主流になっています。

手術は入院が必要なこともありますが、外来(通院)でできてしまうものが増えています。

放射線治療と抗がん剤治療も、入院で行うこともありますが、通院で行われることが多くなっています。

というのも、高齢化と医療技術の高度化などで公的健康保険の財政は厳しくなっており、国は入院を短くし、外来治療を増やすようにしていることも大きな要因です。
現在の医療は「在宅へ」の方向だとも言えます。

「通院保障」をつける場合の注意点

がん保険の「通院保障」をつける場合の注意点を説明いたします。

まず、通院条件についてですが、がん通院給付金の対象となる通院には、例えば下記のような条件があります。

・「がん」「上皮内新生物」の治療を目的とした、手術、放射線治療、抗がん剤治療のための通院に限る。
・入院後の通院に限る。

商品によって条件が異なりますが、通院給付金と聞くと、通院したら受け取れると勘違いしがちなので、通院給付金の条件は事前に確認することが非常に重要になります。

次に日数条件になりますが、がん通院給付金を受け取れる通院日数には、例えば下記のような条件があります。

・支払日数は無制限
・退院後365日以内であれば無制限
・入院の有無によらずがんの治療が目的の通院・往診であれば1年間で120日を限度、ただ
し、所定の三大療法等の場合は1年ごとに延長

商品によって条件が異なりますが、抗がん剤の治療など、通院が数年間続くケースもありますので、こちらも事前に確認することが非常に重要です。

通院給付金については、入院を伴わない通院でも保障されるタイプや、給付対象となる通院日数の上限が長めまたは無制限のタイプを選ぶほうがより安心といえると思います。

「通院保障」をつける場合のがん保険の選び方

先程も書きましたが治療方法の多様化に伴って、がん保険も通院治療に備えた商品も様々提供されています。

どのような時でも通院給付金が受け取れるとは限らないため、通院保障をつける場合のがん保険の選び方を見ていきたいと思います。

入院の条件を確認

がんの通院保障は「がん」「上皮内新生物」の治療を目的とした、手術、放射線治療、抗がん剤治療のための通院であれば、単独で出るタイプと入院後の通院でないとでないタイプがありますので、その条件の確認が必要になります。

治療の条件を確認

現在のがんの主な治療方法は手術療法、放射線療法、化学(薬物)療法の3つでありますが、この三大治療は全て通院を必要としますが、注意が必要なのは化学(薬物)療法による通院になります。

保険商品によっては、化学(薬物)療法は経口投与という飲み薬での治療の通院は給付対象にしないといった条件が課されている場合もあります。

それぞれの治療で通院保障の給付の条件がありますので、ご確認ください。

日数の条件を確認

がん保険の通院保障の条件で、入院しその退院後1年以内に60日を限度として支給という条件が付けられている場合もあります。

退院後1年以内にというのが少しネックになるかもしれません。がんは、他の病気と比べて治療が長く続く可能性が非常に高い病気です。日数の条件もいろいろありますので、ご確認ください。

まとめ

がん保険の保障内容は、入院・手術型、通院重視型、一時金重視型、自由診療対応型等、最近は保険会社各社で色々工夫されて特色ある商品が出ています。

がん保険に加入されている方は、一度ご自身の保障内容を確認するのが良いかと思います。

これは極端なケースかもしれませんが、がんの種類やステージによっては治療のスタートからラストまで通院で行われることもあります。

また、保障内容がよくわからない、がん保険の加入を検討している場合には、身近なファイナンシャルプランナーに相談するのが良いと思います。

人それぞれ、もしがんに罹患したときの考え方や対処法が異なると思います。

最近のがん治療にかかる金額や治療以外にかかる金額や治療することにより収入の減少等、多角的な面からアドバイスを受けてみたらいかがでしょうか。

執筆者

宮野 亮一(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、空調関係のメーカーに就職。このころ職業能力検定の一つとなったファイナンシャル・プランニング技能士、いわゆるファイナンシャルプランナーという仕事に興味を持ったことがきっかけで、2001年に損保系生命保険会社へ転職。主な業務は、家計相談やライフプランニング、そして個人・法人保険の販売。12年の経験を積み、より幅の広いコンサルティングアドバイスするために現職へ。個人の家計相談はもちろん、ライフプランセミナー、相続・事業承継等のコンサルティングを行う。ほけんペディアでも、幅広い分野の記事を執筆中。
■保持資格:AFP資格2019年度MDRT成績資格会員(Court of the Table会員)相続診断士
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