がん保険の選び方のポイント!

がん保険

国内における「がんと診断される確率」は、おおよそ2人に1人と言われています。

私たちにとって今や「国民病」とも言えるがんに備えるために、多くの方が「がん保険」に加入しています。

しかし、一言で「がん保険」と言っても大変多くの商品が存在し、その特性もまた様々であるのも事実です。

ここでは、がん保険加入を検討する上での、基礎知識から商品選択のポイントについて解説していきます。

がん保険加入(検討)のタイミング

厚生労働省のデータによると国内のがん罹患者数は、男女ともに25~30歳前後から増加傾向にあることがわかっています。

特に女性については、30代~60代前半の壮年期における罹患者数が多い点も注目すべき点であると考えます。(厚生労働省「平成26年患者数」より)

がん保険加入(検討)のタイミングとして、上記のデータからも若年齢から徐々に罹患率が上昇していく傾向を鑑みて、少なくても20代から加入を検討していく必要性がありそうです。

また、0歳時から加入が可能な商品もありますので、お子様への保障確保という意味でも検討をおすすめします。

がん保険の種類を知る

がん保険の種類について解説致します。

終身タイプ

がんに対するリスクを一生涯保障する保障タイプです。
解約返戻金のあるタイプ、解約返戻金のないタイプ(掛け捨て)、一定期間までに保険金の支払いがなかった場合などに健康還付金としてそれまでに支払った保険料相当額が返戻されるタイプとあり、タイプに応じて保険料設定に違いがあります。

定期タイプ

がんに対するリスクの保障が一定期間に限定される保障タイプです。

主にがん罹患リスクの高い年齢や病気等による家計への影響が大きい子育て世代の方々が加入されるケースが多いようです。

また、終身保険に比べ保険料が割安になる傾向にあるのも特徴です。

がん保険の保障内容を知る

がん保険の保障内容は、様々な給付金に分かれており、加入検討の際にはどの給付金がどのような場面で支払われるのか等に留意しておく必要があります。

診断給付金

初めてがん(悪性新生物・上皮内新生物※)と診断確定された場合に一時金として支払われる給付金になります。
(※保障タイプによっては、上皮内新生物は対象外とするものもありますので注意が必要です。)

尚、支払い条件については後述にて詳しく解説します。

入院給付金

がんの治療を目的とする所定の入院をした際に支払われる給付金になります。

主に「入院1日目から支払日数無制限」のタイプが多く販売されています。

がんの種類によっては、短期入院で済む場合から長期入院が必要な場合もあります。

特に長期入院の際、家計に与える影響も考慮しておく必要があります。

手術給付金

がんの治療を目的とした所定の手術を受けた際に支払われる給付金になります。

主に、がん治療を目的にした手術と放射線治療を指します。(ただし、支払対象にならない手術もあり、詳細は約款等で確認をする必要があります。)

がんの三大治療(手術・放射線治療・薬物療法)と言われ、がん治療において頻度の高い治療となります。

通院給付金

がんの治療を目的とした所定の通院をした際に支払われる給付金になります。

主に入院給付金日額の同額または1/2の日額が給付金として支払われることになります。

昨今のがん治療の状況から入院日数が短くなる傾向にある一方、通院による治療が多くなっている為、がん通院給付金の重要性は高まっています。

抗がん剤治療給付金

「抗がん剤治療」を受けた際に支払われる給付金になります。

主に公的医療保険制度の給付対象となる所定の抗がん剤またはホルモン剤の投与があった場合に支払われます。

保険商品によって支払い対象や範囲が異なり、欧米で承認をされた所定の抗がん剤・ホルモン剤を対象とするものや、分子標的薬と言われる特定の分子を標的としてその機能を制御することにより治療をする療法も給付金の対象に含まれるものなど様々あります。

がんに罹患した際にどのような治療が給付対象になるのか等についても、しっかりと留意しておく必要があります。

放射線治療給付金

「放射線治療」を受けた際に支払われる給付金になります。

放射線治療は、放射線を患部に体外および体内から照射する療法になります。手術・抗がん剤治療と併用して用いられるケースも多くあります。

特定治療通院給付金

がんの治療として、放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を受けることを目的とした通院をした際に支払われる給付金になります。

通院給付金とは異なり、入院をしていない場合も保障の対象になります。(※)
(※抗がん剤等を内服するための通院は除かれます。)

先進医療給付金

がん治療を目的とした先進医療を受けられた場合に支払われる給付金となります。

先進医療とは、厚生労働大臣が定める施設基準に適合する医療施設において行われる治療を言います。

主に、「健康保険の診療レベルを超える」と指定したもので全額自己負担の治療方法になります。

この治療に対応したものが先進医療給付金になります。先進医療は、重粒子線治療等を代表とする治療になり、その費用は200~300万円と言われています。

高額な治療に対応するためにも先進医療給付金を付保しておくことが重要になります。

主に、先進医療にかかる技術料と同額(通算2,000万円まで)という給付金が一般的な給付内容になります。

おすすめの保障内容の例

ここでは、おすすめの保障内容の例について解説をさせて頂きます。

がん保険に加入する際の前提として、がんに罹患したら「どのような治療を受けたいか」「どのように病気と向き合いたいか」という本人の意思が大変重要になってきます。

ある方は、先進医療も含めた積極治療を取り入れたいと考える方もいるでしょう。

また、ある方はがんに罹患したら、一時金を受け取って、湯治場や抗酸化陶板浴などの自然療法を選択したいという方もいるでしょう。

あるいは、疼痛だけは取り除きたいが、手術は受けたくないと考える方もいらっしゃるでしょう。

他の病気についても同様のことが言えますが、「どのような治療を受けたいか」「どのように病気と向き合いたいか」と言う本人の意思を保険設計に反映させることが大切なのではないかと考えます。

一例として挙げるならば、積極治療を受けたいと考える方にとっては、抗がん剤治療や放射線治療、先進医療、がん入院・通院など様々な保障を付帯することが可能になります。

上述の通り「分子標的薬」も対象にした抗がん剤特約や、免疫療法、緩和ケアや自由診療まで対象にするタイプもあり保障範囲も広がっていますので、ご自身がどのような治療をしたいかによって、選択の幅も広くなっています。

また、入院治療を重点的に考えるか、通院を含めた治療を前提に考えるかによっても、保障内容は大きく異なります。

通院治療を前提に考えるようであれば、通院治療を保障する特約等を付帯できる保険もあります。

一方、積極治療を希望されない方にとっては、上記のような保障の充実よりもがん診断一時金等、がん診断を受けた時点で一時金の給付を受けて、本人の意思に基づいた治療に専念するという方法も考えられます。

また、疼痛のみを取り除きたいと考える方にとっては、通院治療や投薬治療などを保障したタイプのがん保険が良いのではないかと考えます。

以上のように、がん保険加入の際には、本人の「どのような治療を受けたいか」「どのように病気と向き合いたいか」という意思が大変重要になってくることがご理解頂けたでしょうか?

ですから、個々、熟慮した上でのがん保険に加入することが大変重要になってきます。

例えばですが、職場の隣の席にいる人がこれ良いよ、と言っている保障内容が、そっくりそのまま自分にとっても「良い内容だ」と当てはまるという訳ではありません。

がん保険の免責期間について

がん保険加入の際に注意が必要な事柄として、「免責期間」があります。

これは、責任開始期の前日まで(つまり加入から90日間)にがんと診断された場合、契約者・被保険者がその事実を知っているといないに関わらず、契約自体が無効になります。

がん保険加入については、この免責期間がある旨を十分に留意しておく必要があります。

また、がん保険の見直しを検討している場合には、新規加入のがん保険の免責期間中は、既加入保険を解約等せず契約を有効にしておく必要があります。

商品を比較する際の注意点

各商品の保障内容によって、給付される条件が異なる場合がある点に注意が必要です。

また、複数の商品内容を比較し、ご自身ががんに罹患した場合に「どのような治療を受けたいか」を主軸に比較検討される事が大切です。

診断給付金の支払い条件

がん診断給付金にはいくつかの支払い条件があります。

例えば、初めてがんと診断された場合に「支払回数は1回のみのタイプ」から、その後転移や別の臓器でがんと診断された場合に何度でも支払われるタイプがあります。

何度でも支払われるタイプの中にも「2年に1回」(ただし、上皮内新生物は保険期間を通じて1回のみ)とするものや、がんの種類に関係なく、前回のがん診断給付金支払日から2年を経過した翌日以後にがんの治療を目的とした入院をした場合に支払われる等があり、支払条件が異なる点には注意が必要です。

上皮内新生物の扱い

上皮内新生物とは、がん細胞が上皮内(組織の表層部)にとどまっている状態の事を言います。治療によりほぼ完治できるものが多く、転移や再発の可能性も低いと言われています。

保険商品によっては、がん診断給付金の支払い条件に、「上皮内新生物を除く」とする保険商品も多くありますので、保障内容を良く確認しておく必要があります。

入院給付金の支払い条件

「がん治療を目的とする入院」した際に支払われます。

医療保険の入院給付金等と一緒に検討をし、がん治療の際には上乗せで給付されるイメージで加入をされると良いでしょう。

通院給付金の支払い条件

がん保険の通院給付金は、入院[前後]の通院を保障するタイプや入院[後]の通院のみを保障するタイプなど様々です。

1回の入院に対する通院限度日数や通算通院日数などもあり、各商品によって様々な条件があります。

また、特定治療通院給付金も併せて検討をする必要があります。

がん保険選びのポイント

ここでは、がん保険選びのポイントをまとめてみます。

診断給付金タイプを優先する

診断給付金を優先するタイプは、がん保険の中でも最もシンプルな設計になるかと思います。

がんと診断確定した際に、診断一時金が支払われるタイプを言います。

無制限で受け取れるタイプにする

入院日数を無制限にする設計にすると、がんに罹患して治療のための入院日数が無制限になります。

がんの種類にもよりますが長期入院が必要な場合もありますから、そうした心配をお持ちの方は、入院日数無制限を選択すると良いと思います。

がん先進医療特約は付けるのが安心

先進医療と言いますと主に、重粒子線治療や陽子線治療が有名ですが、昨今ではワクチン治療や免疫治療なども該当の医療機関で受診することで先進医療を利用できます。

実際にがんに罹患した際には、最先端の技術や療法を活用して治療をすることが出来るという選択肢も大きいのではないでしょうか。

しかし、実際の治療費は高額になりますので、がん先進医療特約を付帯しておくことで、経済的な負担を軽減することが可能になります。

詳細は、下記をご参照下さい。

■厚生労働省 先進医療を実施している医療機関の一覧 

先進医療を実施している医療機関の一覧|厚生労働省
先進医療を実施している医療機関の一覧について紹介しています。

医療保険にがん特約を付けるのでは不十分?

医療保険の種類にもよりますが、特約としてがん特約を付帯することが出来る商品があります。

その他にがん通院特約なども付帯することが可能です。

一般的に、医療保険に付帯するがん特約は、主契約の入院日額に影響を受けるケースもあり、希望の保険金額を設計することが出来ない場合もあります。

保障についてのそれぞれの考え方となりますが、がん保障をさらに充実させたい場合には、がん保険単体で加入しておくことも大切です。

まとめ

ここまで、がん保険についての解説をして参りました。

給付金や給付条件など保険商品によって様々であるのが現状です。

あなたやご家族ががんに罹患した場合、どのような治療を受けるのがベストか、その際にどのような給付金が支払われるのか等、細かな点まで検討を進める必要があります。

がん罹患による経済的な影響も少なくありません。

あなたとご家族にとって、どのようながん保険が適しているのか、ご加入を検討する際は、保険に詳しいファイナンシャル・プランナーに相談されることをおすすめします。

執筆者

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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