がんの治療費はいくら必要? 公的保障とがん保険の基礎知識

がん保険

がんになると高額な治療費がかかると言われていますが、一体どのぐらいかかるものなのでしょうか。

そして、公的制度やがん保険を利用することで、どのぐらい費用を抑えられるのかは非常に気になるところだと思います。

そんな人に向けて、がんの平均的な治療費から、がんの治療費に使える公的制度、がん保険について解説します。

主ながんの平均的な治療費は?

ガン罹患者の年齢や性別、ガン診断時の進行状況により、治療方法も違い、一概に平均的な金額を明示するのは難しいことですが、ここでは一つデータを参照し計算をしてみます。

ホームページ 『e-Stat 政府統計の総合窓口』
厚生労働省 医療給付実態調査報告書(平成28年度)
表番号7 データベース4 性別、年齢階級別、疾病分類別、制度別、件数、日数(回数)、医療費 食事・生活療養 (第4表の詳細版)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450389&tstat=000001044924&cycle=0&tclass1=000001044945&tclass2=000001117178&second2=1

このデータを元に、医療費を件数で割った、疾病分類別1件当たりの医療費(平均入院日数)を求めると、

疾病分類医療費(平均入院日数)
胃の悪性新生物617,397円(12.3日)
結腸の悪性新生物605,894円(11.2日)
直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物719,374円(12.5日)
肝及び肝内胆管の悪性新生物590,942円(11.6日)
気管・気管支及び肺の悪性新生物658,365円(12.5日)
乳房の悪性新生物554,092円(9.4日)
子宮の悪性新生物605,342円(10.8日)
悪性リンパ腫934,105円(16.4日)
白血病1,513,487円(19.7日)
その他の悪性新生物634,476円(12.7日)

となりました。

冒頭申し上げた通り、これらの数字は、初期段階の内視鏡手術のみで済むケースと、開腹手術のケースも含まれた中での、単なる平均値にすぎません。進行の程度や合併症の有無などにより大きな差があります。

また、このデータは1件の入院の費用です。がん治療には、入院前後の検査や通院、抗がん剤などの薬剤費などの費用もかかりますので、参考数値と捉えてください。

がんの治療法

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/index.html
(国立がん研究センター がん情報サービス)
治療については、上記ホームページをご参照ください。

三大療法

『手術(外科治療)』、『薬物療法(抗がん剤治療)』、『放射線治療』を言います。

その他にも、ノーベル賞受賞で話題になったオプジーボなどに代表される『免疫療法』、高額な治療費で話題の『がんゲノム医療』、など広がりをみせています。

自由診療

健康保険の適応を受けていない免疫療法など、自由診療の費用は全額自己負担になります。

免疫機能の改善を謳った健康食品やサプリメントもあり、代替療法と言われます。

先進医療

厚生労働省が定めた医療機関で、決められた医療技術が『先進医療』として認められています。

この先進医療は全額自己負担です。現在29種類の技術があり、1097施設が実施しています(2019年4月1日現在)

厚生労働省 先進医療を実施している医療機関の一覧
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

最近では民間の医療保険やがん保険に「先進医療特約」を付加しているケースも多く、実質自己負担なく先進医療が受けられ、治療の選択肢が広がったとも言えます。

公的保障について

医療費については先進医療を除き、上記の治療費の全額を負担するわけではありません。年齢などにより、1~3割を負担する制度(健康保険)になっています。

健康保険

まずはご自身が加入する健康保険について確認しましょう。

自営業(個人事業主)の場合は『国民健康保険』であり、お住まいの市町村が国民健康保険の窓口です。

中小企業でお手持ちの健康保険証に『全国健康保険協会(協会けんぽ)』とあれば、各都道府県協会けんぽの支部が、また、お勤めが大企業などで健康保険組合の場合は各健康保険組合がそれぞれの窓口となっています。

高額療養費制度や傷病手当金

https://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-2/02-02-02.html
(国立がん研究センター がん情報サービス)
様々な支援が受けられる制度があります。

医療費以外にかかる費用

差額ベッド代など直接的な費用や、付き添いなどのサポートする側の付随する費用、がんの罹患者が主たる生計者だった場合の収入減なども考慮すべき事項です。

がん保険について

診断給付金(一時金)、入院日額、治療給付金(抗がん剤などの治療をする月ごとに支払われる)、など様々な保障を選ぶことができます。

診断給付金も2年に1回の給付から1年に1回の給付を受けられる保険もあり、保障の範囲(上皮内新生物を含むか否かなど)も様々です。

また、収入減を『働けなくなったときの保険』でカバーできます。

まとめ

住宅ローンを組む時に、団体信用生命保険に加入しますが、そこにもがんになったら以後の住宅ローンは免除される特約を付けられるケースがあります。

これも一種のがんのリスクを回避するためのものです。

しかし住宅ローンを払い終わるころに、がんになる確率が上がるため、がん保険とこの団信の特約は2者択一できるものではないと考えます。

がん保険はあくまでも治療に専念するためのもの。給付金は戦うためのファイトマネーだと思います。

執筆者

秋吉 淳二(ファイナンシャルプランナー)

1988年大学卒業後、製薬会社に就職。その後、1999年に外資系生命保険会社に転職。2008年に現職。楽しい職場で楽しく仕事を続けていることに感謝している今日この頃。皆さんにもこの楽しさが伝わるといいなと思っています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格
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