学資保険の返戻率の考え方をFPが解説

学資保険

学資保険における「返戻率」とは、「保険料支払い総額に対して満期金や祝い金等受け取ることが出来る保険金総額の割合」のことを言います。

できれば、返戻率の高い保険に入っておきたいものですが、留意しておきたいポイントもありますので、ポイントを絞って解説させて頂きます。

学資保険の返戻率って何?

学資保険の返戻率は、「保険料支払い総額に対して、満期金や祝い金等受け取ることが出来る保険金総額との割合」のことを言います。

下記の計算式で求めることが出来ますが、返戻率が高いほど、貯蓄性が高いという事が言えます。

返戻率(%)=(満期金・祝い金)÷(保険料支払い総額)×100

主に「学資保険」は、保険料払込満了と同時あるいは、支払満了後、一定期間据え置いた後に「満期金」が支払われます。

また、保険商品によって各学校の入学時期(中学校・高等学校・大学等)に合わせて祝い金として支払われるタイプの保険もあります。

加えて、学資保険の返戻率は、保険料の支払期間や支払い方法、満期金・祝い金の受取時期によっても変動します。

返戻率は「目安」として考える

将来のインフレリスク等の経済状況の変化によって、貨幣価値も変動します。

つまり、現在価格と将来価格が同額である保証はありません。

例えば、自動販売機のジュースは、以前は100円で買えましたが、現在で130円~150円を投入しないと買えません。

定額で学資準備をする場合には、こうしたインフレ等のリスクもあることを理解の上に加入する必要があります。

また、返戻率も大切ですが、実際の満期金が「いつ」「いくら」になるのかという点も留意しておく必要があります。

学資保険の返戻率を上げるためのポイント

子どもが生まれたらすぐに契約する

多くの学資保険は、被保険者を子どもにしますので、満期までの期間を最大限活かすには、生まれてすぐに契約することで返戻率を上げることが可能です。

特約は付けない

医療特約等の特約を付帯することで、返戻率を下げる要因となります。

あくまでも学資準備を目的とした場合には、特約を付帯せずに加入をされると良いと考えます。

年払にする

多くの学資保険は、保険料払込方法を「年払」にした場合には、年間支払保険料の割引もあり返戻率も上がるように設計されています。

可能であれば、年払契約にて加入をすることでメリットを享受出来ます。

返戻率以外に確認すべきこと

返戻率以外にも確認しておきたい内容がありますので、そのポイントについて下記に掲載しておきます。

加入の目的

教育費の大きな課題として、高等学校卒業後の進路によって多額の学資金が必要になることです。

大学進学にしても、国公立か私立かによって大きな金額差が生じます。

こうしたことからも、特に高等学校卒業後の教育費支出に備えることから学資保険等の学資準備をしていくことが大きな目的となります。

保険料

保険料についてですが、「満期時にいくら準備したいか」という観点から逆算して保険料を算定する場合と、「毎年(毎月)の収支から支払い可能な保険料」を検討する場合とがあると思います。

理想としては、「満期時にいくら準備したいか」の観点から検討することになるかと思いますが、その他のライフイベントとのバランスも考えながら、支払保険料を決定することが重要となります。

また、学資準備については、学資保険のみで準備するのではなく、その他の貯蓄も併せて進めて行くことが重要となります。

受け取り時期

満期金・祝い金等の受取時期も、留意しておく必要があります。

満期金が支払われるタイミングが、お子様の年齢が何歳の時なのかを確認する必要があります。

返戻率を意識するばかりに満期金のタイミングが大学入学時のタイミングよりも遅くなり、実際に学資金として活用出来ないケースや、資金入用の際には途中解約をしなくてはならない場合もありますので十分確認をして加入しましょう。

多くの学資保険は、被保険者が子どもになっており、17歳満期や18歳満期あるいは22歳満期などの学資保険があります。

お子様の満年齢が保険設計の年齢になりますので、早生まれの場合や加入時期等で満期のタイミングと入学金等支払いのタイミングが合わないケースも出てきますので、注意しておく必要があります。

支払い期間

上記同様に、支払期間はいつまでなのか・・・も重要になってきます。

保険商品によって様々な設計になっており、「17歳払い・17歳満期」や、「18歳払い・18歳満期」・「18歳払い・22歳満期」等、支払期間や満期のタイミングも様々・・・。

また、祝い金についても、設計されている商品もそうでない商品もあります。

加えて、お子様の進路によっては、中学校から私立あるいは高等学校から私立に進学する場合等、学校外教育費を含めた教育費支出と学資保険等の学資金準備が重なるケースもありますので注意が必要です。

つまり、「保険料支払い期間=学資準備(可能)期間」と考え、将来の進路がどのような状況になっても、しっかりと準備できる期間に学資準備を集中させる等も検討が必要です。

例えば、10年短期払いや15年短期払い等の方法で、比較的教育費がかからない時期に集中して準備をし、必要なタイミングで、解約して解約返戻金を学資金に充当する方法や、保険金額を段階的に減額し、一部解約返戻金をその都度の入学金に充当する方法等が可能な保険設計(主に終身保険を活用するケースがあります。)
もありますので、学資保険のみの検討ではなく、支払期間の問題や払い戻しのタイミングあるいは利便性等も含め、幅広く検討をする必要があります。

まとめ

ここまで、学資保険について解説をしてきました。

教育費準備は、多くの親御さんにとって大きな期待と同時に大きな課題でもあります。

また、教育費は、「三大ライフイベント」のひとつと言われ、大きなお金が長期間必要となるイベントでもあります。

一方、将来の進路にもよりますが、事前にキャッシュフローを作成することで「いつ」・「いくらぐらい」準備が必要か等予測が立てやすいライフイベント(支出)でもあります。

つまり、いつのタイミングでいくらぐらいの資金が必要かを事前に把握し、そのタイミングをターゲットにし、「逆算」して計算することで「今からいくらずつ準備したら良いのか」を計画することが可能です。

教育費の支出は、ある意味「必ず必要となる支出」ですから、来るべき時期に合わせて着実に準備をしていくことをおススメします。

最後に、定額での準備に加え、変額商品を活用した将来のインフレリスクに備える方法や、保険商品のみで学資準備をすることなく、つみたてNISAやジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)等の株式や投資信託の金融商品を活用した方法も同時に検討をすることも大切になってきます。

執筆者

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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