どう選ぶ? 学資保険加入前に知っておきたい選び方のヒント

学資保険

子どもが生まれると「将来のために学資保険を」といった話を聞いたことのある方も少なくないでしょう。

ただ、実際のところ、数ある学資保険の中からどれを選べばいいのか、迷ってしまいますね。今回は、学資保険の選び方のポイントを確認しましょう。

学資保険の目的

学資保険の目的は、言うまでもなく、将来掛かる子どもの教育資金を準備するためです。では、なぜ教育資金を学資保険で準備することが良いのか?

メリット1:お金が積立てられ、銀行預金より利率が良い場合がある
メリット2:親の万が一の場合でも教育資金を準備出来る保険機能がある

せっかく、子どもの教育資金を準備するのであれば、少しでも効率良く準備したいものですよね。

学資保険選びのポイント

では、具体的にどういった点に注意して商品を選べばいいのか、ポイントを確認していきます。

返戻率

学資保険に限らず、積立型の保険で一番確認したいポイントの一つが返戻率(へんれいりつ)です。
返戻率とは、支払う保険料の総額に対し、受け取る保険金等の総額の割合を指します。

返戻率(%) = 受け取る保険金等の総額 ÷ 支払う保険料の総額 × 100

返戻率が100%を超えれば、支払った保険料より受け取る保険金額等の方が多いことになりますし、100%を下回る場合は、少なくなる、つまり元本割れして戻ってくることになります。

当然、返戻率は高い方が嬉しいわけです。

現在、存在している学資保険ですと返戻率は105%前後が標準的な水準かと思います。高いもので108%のものもありますが、商品によっては元本割れしてしまうものもありますので、選ぶ際は十分に確認してください。

満期

保険満期は、子どもが18歳の大学入学時となるのが一般的です。

ただ、18歳に一括で受け取るだけでなく、12歳・15歳・18歳と各進学時に分割で受け取る方法、18歳~22歳の大学通学期間中に分割で受け取る方法なども選べます。

中学、高校から私立も想定したい…… 大学は理系など費用が掛かっても大丈夫な準備をしたい…… など家庭のライフプランに合わせて受け取り方法を選ばれると良いでしょう。

払込期間

保険料の払い込み期間もポイントの一つです。全期払(18歳まで払い込み)のほかに、10年払、15年払など払い込み期間を短く設定する方法もあります。

払込期間を短くすることで、上記で述べた返戻率を高める効果が生まれます。ただし、その分一月当たりの保険料負担は大きくなりますので、ご注意ください。

月々の保険料

前述のように、払込期間や満期までにいくら準備したいかによって保険料に影響があります。掛け捨てタイプの保険のように、単に安い方がいいということではなく、しっかりとした準備をするには、それなりの保険料負担が求められます。

また1人目のお子様の場合、2人目、3人目も同様に準備してあげることも想定して、予算組みをする必要があります。

一方、子どもの教育資金をすべて学資保険で準備する必要は、必ずしもありません。仮に大学4年間分で総額600万円を18年間で準備するには、単純計算で月々約27,000円程度の掛け金が必要となり、子どもが2人なら2倍、3人なら3倍掛けなければならなくなります。

保険は、一旦契約をスタートしてから、途中でやっぱり払えず解約、減額しますと不利益が発生することがあります。子どもへの強い想いもあると思いますが、ご予算を確認しながらバランス良く準備していきましょう。

これもあわせて考えておこう

上記で、基本的なポイントを確認しましたが、以下の点についても押さえていきたいと思います。

加入時期

学資保険はいつ入ればいいのか?
おススメは、「できるだけ早く」です。

そもそも学資保険には、加入可能期間があり、0歳~7歳までが一般的です。

8歳を超えても加入可能な商品もありますが、選択肢は限定されてしまいますので、のんびりし過ぎないようにしましょう。

ちなみに、生まれる前でも、出産予定140日前から加入可能な商品も出ておりますので、早めに情報を集めておきましょう。

契約者

以前であれば、契約者 = 夫という考え方でした。現在は共働き家庭も多く、場合によっては妻側の収入が高いことも珍しくありません。

保険の概念から申しますと、万が一の場合に、より経済的インパクトの大きい方を契約者とすることを基本に考えて頂ければと思います。

またおじいちゃん、おばあちゃんが孫のために学資保険を掛けてあげるということもあると思います。

これは、気持ちの問題ですので、とても良いことだと思いますが、その場合は、親に万が一の場合の子どもへの保障は別途確保しておきましょう。

また祖父母から孫への贈与税の絡みもしっかりと確認しておきましょう。

特約

保険料払込免除特約

契約者である親が死亡したり、所定の高度障害状態となった場合に、その後の保険料支払いが免除される特約です。これにより、親の万が一の場合でも満期金・お祝い金を受け取ることができます。

本特約は、基本的に自動付帯されます。

医療保険特約

子どもの病気やケガによる入院・手術をしたときに、給付金を受け取ることができる特約です。

学資保険と合わせて手軽に掛けられるメリットがありますが、満期を迎えれば保障は無くなります。

また多くの自治体が子どもの医療費助成制度を持っており、一定年齢までの医療費負担ゼロの自治体も少なくありません。本当に必要な特約なのか、メリットはあるのか、しっかりと判断しましょう。

育英年金特約

契約者である親が死亡したり、所定の高度障害状態となった場合に、育英年金を受け取ることができる特約です。

親が自身で死亡保険に加入しているとダブってしまいますので、部分最適ではなく、全体最適で判断するようにしましょう。

特約を付けることで、保障を手厚くすることはできますが、当然、その分の保険料は上がります。

特約保険料は掛け捨てですので、必然的に返戻率は下がります。

必要以上の手厚い保障は、本来の加入目的からズレ、家計を圧迫し、資金効率を悪くしますので、本当に必要な特約なのか判断して、加入しましょう。大切なのは、部分最適ではなく、全体最適です。

保険金の受取方法

学資保険の保険金には、小中高の進学時の祝い金、大学進学時に一括で受け取る満期学資金、大学入学から各進級時にも受け取る学資年金などがあります。

いずれの場合でも、勝手に銀行口座へ振り込まれる訳ではなく、保険会社へ請求する必要があります。

概ね、満期学資金の場合は満期の2ヶ月ほど前に、進学時の祝い金などは11月前後に保険会社よりお知らせの案内が郵送されます。その案内に基づいて保険会社へ連絡すると請求関連書類が郵送されてきます。

請求書ほか必要書類を保険会社へ返送し、不備無く受理されて初めて保険金が銀行口座へ振り込まれます。

場合により、実印や印鑑登録証明書も必要となりますので、しっかりと確認して対応してください。

また保険金の受取方法によって、税金の種類も変わってきます。一時金で受け取る場合は一時所得、年金形式で受け取る場合は雑所得として課税処理されますので、この点もご注意ください。

学資保険に加入する際の注意点

ここで、学資保険を選ぶ際にデメリットとなり得る、注意点についても触れておきたいと思います。

契約者が死亡してすぐには満期金を受け取れない

学資保険の保険金は、死亡保険金ではなく、子どもの教育のための学資金です。
つまり、保険金を受け取れるタイミングは、進学時や大学入学時など、あくまで契約内容に基づく形となります。

契約者が死亡し、経済的に厳しくなったから満期前に受け取るとなると、解約して受け取ることになり、その場合目減りしてしまう可能性もあります。

インフレには弱い

学資保険はほとんど円建て商品であり、決して返戻率が高いとは言えません。
実際にそのお金を使うのは15年先、20年先となる訳で、その間に大きくインフレに振れたとすると、十分な吸収力があるとは言えない場合があります。

学資保険以外の選択肢も

ここまで、「学資保険」として販売されている商品の選び方をみてきましたが、実は、ほかの商品でも代用することができます。

学資保険の目的は、「お金を積み立てる」ことと「保障機能を持つ」ことですから、この二つの目的を果たせればいいわけです。

例えば、「終身保険」や「養老保険」がそれに該当します。特に終身保険は、返戻率や保障額の高さから、我々ファイナンシャルプランナーが案内する学資保険の代用商品として、よく使われます。

終身保険を学資保険代わりに使う時には、保険料払込期間をできるだけ短くするなど、ちょっとした工夫が必要です。

例えば、10年払や15年払にすることで、子どもの大学進学時に返戻率が100%を超えてきます。

また終身保険には満期がありませんから、いつ積み立てられたお金を使うか、親の裁量で決めることができるのもメリットです。

最近ですと、外貨建ての終身保険を使って、より運用性を高める方法を選ぶ方も増えてきておりますので、固定観念に囚われず、広い視野で選んでみてください。

ここで念のため、学資保険と終身保険それぞれの特徴をまとめたいと思います。

学資保険終身保険
保険金進学時の祝い金や満期時の学資金何事もなく進学時に使う場合は解約返戻金、契約者死亡時は死亡保険金
税金一時所得、もしくは雑所得に対する所得税解約返戻金は一時所得に対する所得税、死亡保険金は相続税(契約形態による)
保険金額何事もなく満期を迎えた場合でも、契約者途中死亡した場合でも受け取る金額は同じ被保険者死亡時は所定の死亡保険金額
受取契約時に保険金受け取り時期を決めるため、忘れていても保険会社より時期が来たら案内される希望する時期に解約もしくは一部解約
契約時期出産後や、出産予定140日前以降いつでも可能

私の経験上では、決めた額を決めたタイミングできっちり受け取りたい方は学資保険、自分自身の裁量や、ほかの保険・資産などと総合的にコントロールしたい方は終身保険を選ぶ傾向にあるように感じます。

まとめ

さあ、今回は学資保険の選び方というテーマでみてきました。子どもにどういった教育環境を与えていくかは、親にとってとても重要な責任です。

教育費はすぐに貯まるものではありませんから、早め早めの準備を心掛けてみてください。

執筆者

杉村 和哉(ファイナンシャルプランナー)

東京都杉並区で生まれ、幼少期をニューヨークで過ごし、帰国後は茨城の大自然で育つ。2人の娘の父親。メーカーの国際営業として社会人をスタートしたが、人生をより豊かにしたいと金融の勉強を独学で始め、30代後半で大手外資系金融へ移り、FP資格を取得。大手ハウスメーカー提携FPとして、住宅購入資金・返済計画の個別相談を受けつつ、ライフプランをもとに教育、老後、将来の夢の実現に向け、経済的解決策をアドバイス。『話す』より『聴く』をモットーに、延べ1,000世帯以上をコンサルティング。趣味は、学生時代より30年以上続けるバンド演奏、キャンプやトレッキングなどアウトドア活動、ヨガなど。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格相続診断士
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