学資保険は不要?必要? 色々な疑問に対する答えと本当に必要なことは?を徹底解説

学資保険
  • 妻の妊娠を機に、自分の母親から学資保険への加入をすすめられた
  • 周りの子供がいる友人・知人に話しを聞くと、学資保険に入っていない人も多い
  • しっかりと必要なのかどうかを見極めて、加入検討をしたい
  • 初めての子供だからそもそもどんなお金が今後かかるかもわかっていない
  • 親以外にも子供にかかる費用に関して相談に乗ってくれる人が欲しい

このような相談が日々寄せられています。特に初めてのお子様となると心配になりますよね。
では、そもそも学資保険とはどういうものなのか?ということから解説させていただき、よくある質問についての返答形式で進めたいと思います。

学資保険とは

保険の種類で言いますと、教育資金の積立をするためにわかりやすく名前を付けられた「生存保険」の一種です。

「生存保険」とは、被保険者が生存している時に保険金を受け取れる保険です。学資保険の場合、中学校や高校の入学時に今まで支払った保険料から一部の金額が生存保険金として受け取ることができます。

商品名としては各社違いますが、「学資保険」や「こども保険」と付けている会社が多いです。

学資(こども)保険の特徴

  1. 入学や進学に合わせて祝金(進学学資金)や満期保険金を受け取れる。
  2. 契約者(父親など)が死亡した場合はその後の払込みが免除される場合が多い。また、被保険者(お子様)が死亡した場合は既払保険料相当額の死亡給付金が支払われる場合が多い。

子供の教育費はどのくらいかかるの?

では、実際にいくら教育費はかかるのでしょうか?
そしていつまでにいくらの教育資金を準備すれば良いのでしょうか?

文部科学省「平成30年度学校基本統計」によりますと、《学習費総額》は以下のようになります。

公立私立
幼稚園223,647円527,916円
小学校321,281円1,598,691円
中学校488,397円1,406,433円
高等学校(全日制)457,380円969,911円

《学習費総額》は、学校教育費、学校給食費、学校外活動費の総額になります。

また、「日本金融政策公庫 教育費負担の実態調査結果 2020年3月10日発表」では

<在学費用 ~高校は年間72万円、大学は151万円~>

〇子供1人当たりの1年間の在学費用は高校が72.8万円、高専・専修・各種学校が144.7万円、大学が151.9万円となっています。

〇私立大学の1年間の在学費用は理系で184.3万円、文系で157.6万円と理系で国立大学(107.0万円)のおよそ1.7倍、文系でおよそ1.5倍となっています。

<高校入学から大学卒業までにかける教育費用 ~子供1人当たり939万円~>

〇入学費用と在学費用を累計すると、子供1人当たりの費用は、高校3年間で248.7万円となっています。
大学に入学した場合690.4万円が加わり、高校入学から高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用の合計は939.1万円となっています。

〇高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計金額は、文系で965.7万円、理系で1070.4万円、となっているのに対し国公立大学では、748.1万円となっています。

これらの金額は文部科学省、日本政策金融公庫が発表する調査結果ですから、あくまで平均な金額にはなりますが幼稚園から大学まで公立を選ぶのか、または私立選ぶのかで大きな金額の差があることは間違いありません。

そしてその選択の局面は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学とそれぞれに訪れます。

昨今はその局面の以前に待機児童という問題が起こるかもしれません。

一方で、2019年5月に低所得世帯の学生を対象に大学など高等教育を無償化する「大学等修学支援法」が成立しました。

2010年4月にスタートした公立高校無償化の「高等学校等修学支援金制度」は2020年4月より「高等学校就学支援金制度2020」として、公立高校のみならず私立高校も無償化する制度も始まります。

現在、公立小中学校の授業料は無料ですが、2017年から2021年まで私立小中学校にも授業料が補助される「私立小中学校等就学支援実証事業」が行われています。

もちろん、これらの全ての制度において所得等の制限や条件がありますので対象になる方のみになります。

このように進学の選択に加え、これらの条件に於いても必要な教育資金に大きな差が出ることになります。

但しこれらは「学校教育費」という授業料等の費用です。
2020年から新学習指導要領より、小学校3年生から外国語活動が始まり、5,6年生は英語が正式教科になります。

そして同じく2020年より「小学校におけるプログラミング教育」が実施されます。
これら学習環境の変化により、場合によっては英語塾、英会話教室やパソコン教室、プログラミング教室等の習い事や教材費等の「家庭教育費」が増える可能性もあります。

このように昔みたいに「教育費」として一括りには出来ないほどの各個人に於いて多種多様化が進んでいます。

学資保険不要派の根拠とは

学資保険が不要ということではありません。
上記のように教育費に於いて必要額や必要な時期が多種多様になった時代に、保険会社の「学資保険」というたった一つの商品が必要か否かを論議すること自体が不要であり無意味なのです。

返戻率が低い

現在の低金利時代に資産を増やすにはどうしても運用期間が必要になります。
学資となると4年生大学までとすると最長でも22年ですから、年金商品のように30年35年と運用するものよりも返戻率は劣ってしまいます。

途中解約をすると元本割れする

それは保険商品だからです。
保険料は保険金に備えるための「死亡保険料」と「生存保険料」から成る『純保険料』と、人件費広告宣伝費等に充てる『付加保険料』で構成されています。

『純保険料』の運用益が『付加保険料』を上回るのにどうしても時間が必要になるのです。

ですから、運用益が上回る前に解約してしまうと元本割れになってしまいます。

インフレに対応できない

インフレの対策として多くとられるのは、国債、株式、不動産、金、外貨ですから、運用期間が短く『付加保険料』がかかってしまう学資保険という商品は不向きでしょう。

ただし学資と考えた場合に、高等学校や大学の費用は10年15年20年先となりますからインフレの対策はきちんととっておく必要があるかもしれません。

保険会社が倒産しても全額保護されない

国内で事業を行う全ての生命保険会社が「生命保険契約者保護機構」に加入しています。

万一保険会社が破綻した場合でも資金援助等を行うことにより保険契約者等の保護を図る目的として設立されてます。

その補償限度は責任準備金(将来における保険金等の支払いのために積み立てられているべき準備金)の原則90%となっています。

銀行の「預金保護制度」のように元本1000万までというような上限は設けられてはいません。

学資保険が必要な人・不要な人

学資保険が必要な人はどんな人?

この質問も多く受けますが、これは学資保険が必要なのではなく、有効なという表現が正しいと思います。

保険商品を使っての教育費の積立は、自動的に引き落とされたりカードで支払われたりと半ば強制的に行われます。

貯蓄や節約が苦手な人には有効かもしれません。
ただしこれは、保険の満期が教育資金が必要な時期と一致しているということが必須条件となります。
必要な時に元本割れでは本末転倒になってしまいます。

学資保険が不要な人

色々な制度により教育資金が必要ない人。
事前に教育費を準備せずとも、その時の所得で支払えてしまう人。これは共働き世帯が増えた昨今、増えています。
高校や大学ではなく、幼稚園や小学校のような早い時期に習い事や塾といった家庭教育費が必要な人。

学資保険以外の学費を準備する方法!

そもそもの目的が保険ではなく教育費を積立てるだけであれば、銀行の自動積立や勤務先の財形貯蓄なども上手く活用することも有効です。

これらは急に資金が必要になっても元本割れはしないからです。

低解約返戻金型終身保険

この商品は普通の終身保険に比べ、払込期間が終わった後の解約返戻金の返戻率が高いという商品です。
ただし、払込途中で解約する場合は低い返戻率になります。

教育費が必要になる時期をしっかりと計算した上で払込期間を設定することに加え、早期に必要になる資金を別に用意出来ていれば有効と言えるでしょう。

死亡保険

時代の流れが色々なことで激しく変わり続けています。
そんな中でも大切なお子様のより良い教育を与えるための資金を工面していきたいと皆さん思っていると思います。

中には共働きでなんとか準備をするとか、一人親世帯でも学校教育費以外の習い事など家庭教育費をしっかり与えたいと日々頑張っていらっしゃる方もたくさんお会いします。

どんな状況であれお子様の教育費をと考えるにあたり死亡保険は欠かせません。
万が一の時でも、学校教育費はもちろん家庭教育費もしっかりと準備してあげたい。

やりたいことのために海外に留学や、専門的な学校に通いたいとか、そのための準備に習い事を始めたいとか。

今後、今までにない多種多様な教育費が必要になってくるかもしれません。

少子高齢化という厳しい社会の中で頑張っていくお子様の将来や夢を摘んでしまわないような備えがますます重要になります。

まとめ

なんとかなると暢気に構えてなんとかなる時代は終わりました。
なんとかならないものをなんとかしていかなければならない時代です。

今よりももっと厳しい時代を生き抜くための教育を与えてあげるための準備が必要になります。

一つの商品に加入するか否か、数%の返戻率を求めるという話ではなく、いつどれだけの資金が本当に必要で、それをどうやって、何を使って準備していくか、もし万が一のことがあった場合はどれだけの資金を準備してあげておけばよいか等をしっかりと根拠を持って計算しておくことをお勧めします。

ご自身のこれからの人生における資金の流れも一度明確にしてみることも教育資金の準備をする上で必要かもしれません。

そのためには、お近くのファイナンシャルプランナーに一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

執筆者

山崎 浩志(ファイナンシャルプランナー)

兵庫県生まれ。1994年大学卒業後信用金庫へ入庫。富裕層向け資産運用アドバイス、法人経営コンサルティングなどの業務に従事。外資系金融機関を経て現在に至る。延べ3000世帯以上の保険・住宅ローン等お金にまつわるコンサルティングやリスクマネジメントを手掛けている。 商工会議所、中小企業中央会、大阪府学校生活協同組合等にて、金銭教育に関するセミナーも数多く行っており、その語り口は女性にも人気があり難しい金融の話もわかりやすく楽しく学べると好評。
■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント
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